こんにちは。海外に移住して2年目のティニーです。私は空港の活気に満ちた空気が好きで、以前航空会社に勤めていました。行き交う旅行者の生き生きとした心持ちを感じられる職場は楽しく、いまでも時折思い出します。
さて、この記事はイギリスの入国審査についてのお話です。審査場の独特な雰囲気は緊張しますよね。初めての渡航であればなおさらのこと。
また、留学の場合は旅と違い長期の滞在なので、入国時にどんなことを聞かれるのか心配な方も少なくはないでしょう。準備をしておけば安心です。この記事では、入国審査の流れや受け答えなどをご紹介します。
なお、イギリス留学の準備についての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な準備を進めたい方はチェックしてみてください。
イギリス留学前の準備の流れ
[目次]
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入国審査は旅行者が渡航先の国に入るための最初のステップです。
入国可否の判断および渡航者の情報を確認、集計する目的で、各国の出入国管理局が実施しています。空路や陸路、海上交通を問わず諸外国間を行き来する際に、すべての渡航者はまずその国の入国審査をクリアしなければなりません。
航空機による渡航であれば、目的の国に到着した最初の空港で入国審査が行われます。入国に際し有効なパスポートを所持しているかの確認を受け、渡航の目的や期間、滞在先、帰りのフライト予約について質問されるのが一般的です。
また、入国審査官は渡航者の答えた内容だけではなく、身なりや怪しい様子がないかも見ています。所持金や観光予定の場所を具体的に聞かれる場合もあるので、不安であれば提示できるような旅程表や、メモを用意しておくのもひとつです。
入国審査では、今回の渡航が実は就労目的ではないか、曖昧な理由で長期滞在や永住しようとしていないかといった点も見て入国許可の判断をしているため、不明確な返答や不審な様子が見受けられた場合には入国できないこともあります。
なお、パスポートは残存期間に関しての条件が渡航先により異なるため注意しましょう。イギリスは入国時に、帰国便に搭乗する日まで有効なパスポートの所持が必要です。航空会社では、渡航先の国が指定する残存期間を満たさない場合、搭乗手続きを受け付けていません。
ビザ(査証)に関しては、他国と同様にイギリスも滞在の日数と渡航目的によってはビザが必要です。しかし、6カ月以内の観光としての滞在であればビザなしで入国が可能です。
これまでの入国審査は、審査官のいるカウンターに並び、簡単なやりとりをして入国印(入国スタンプ)をパスポートにもらうのが一般的でした。どの国でも入国審査場は比較的混み合っており、特に外国籍のブースは到着便が重なる時間帯には長蛇の列というイメージを持つ人が多いかもしれません。
しかし、この入国審査場の慢性的な混雑を緩和する自動化ゲート(eゲート)のシステムが導入され始め、設置している国際空港が増えました。日本の空港でも既に導入しています。自動化ゲートを使えば、入国の手続きがモニター上の簡単な操作で済むため、スムーズに審査場を通過できるのがメリットです。
イギリスも一部の国籍保持者を対象に自動化ゲートのシステムを導入しており、2019年5月から日本も利用可能な対象国籍に指定されています。
また、自動化ゲートの運用により、入国カードも廃止されました。IC旅券所持者で18才以上(12才以上も利用可能ですが、同伴者が必要)且つ滞在期間が6カ月未満であれば自動化ゲートを利用できます。
ただし、自動化ゲートは便利ですがデメリットもあります。自動化ゲートの利用により、これまでよりもスピーディーに入国審査場を通れるものの、パスポート上に入国印が残りません。何か公的な証明として出入国印が必要な場合には困る可能性もあると知っておきましょう。もちろん従来通り入国審査官がいるカウンターでの入国手続きも可能です。
イギリスへ渡航し、入国するまでの流れを説明します。
出発日を決め、往復路のフライト予約を取ります。滞在先や学校、事前に手配しておくことなどを済ませ、念のため手元に必要な情報をプリントアウトしておくと安心です。繰り返しになりますが、帰国日まで有効なパスポートを準備しておきます。
離陸時刻が迫っている出発便に駆け込みで搭乗する旅客の方に限って、受託手荷物(預け手荷物)の中に航空機に搭載できない制限品が入っているケースが結構あり、対応に苦慮しました。
受託手荷物はチェックインカウンターで預けたあとに、インライン・スクリーニングと呼ばれるセキュリティーシステムを通過してから搭載されています。危険物の探知検査と同時に、受託手荷物に入れてはいけない物品がないかもモニターするものです。
もしも受託不可の物品らしきものがみつかると、搭乗口に受託手荷物が搬入され、旅客立会いのもと保安検査員による開披検査が実施されます。受託できない制限品類はその場で没収となります。
特に、留学生や長期滞在の方は現地で使いたいものを諦めなくてはならない状況を避けるためにも、受託不可の物品について航空会社のHPなどで確認しておくことがおすすめです。
逆に機内持ち込み不可で、受託であればOKなものもあるので、出国審査場前のセキュリティーでドキドキしなくて済みますよ。
入国審査は自動化ゲート利用であれば「eGates」という表示に従います。緑のライトが点灯しているゲートに進み、パスポートの写真をスキャンしたら前方のスクリーンに顔を向け、終了のライトがつくまで待ちます。終わればゲートを通過するだけです。
観光での短期滞在ではなく留学や長期滞在予定の方などは、従来通り審査官のいるカウンターでの入国審査に進みます。EU諸国以外のパスポートの渡航者が並ぶ「All other passports」の列で順番を待ちましょう。こちらはそれなりに混み合うので待ち時間には覚悟が必要です。
けれども、審査を受けるまでに心の準備をする時間、そしてイギリスらしい入国体験と受け止めて読書でもしながら気長に待ちましょう。
昔からイギリスの入国審査は質問が多めで厳しいという声も聞かれていましたが、自動化ゲートの導入でだいぶ気楽にイギリス入国に臨めるようになったようです。厳しいといっても、英語が苦手な場合にいくつも質問されたりイギリス英語特有の響きにすぐ馴染めなかったりした印象が大きいでしょう。
次の項目で紹介する質疑応答の内容がわかれば、そこまで難しいことはないので安心してください。
到着ルートの表示通りに進むと、手荷物検査場に着きます。フライトごとにターンテーブルがあるので、預けていた荷物を引き取ります。税関申告が必要な携行品があればきちんと申告し、特に無ければ課税対象なしのレーンに進み検査場を抜ければ入国手続きは終了です。
入国審査官のカウンターでの質疑応答の例を紹介します。自動化ゲートではなく質問を受ける場面も想定して、スムーズに対処できるように準備しておくと安心です。
purposeではなくreasonが使われることもあります。どちらでも渡航目的を答えましょう。
まず必ず聞かれることと言えば、入国の目的です。Are you here on business?(ビジネスのための渡航ですか?)と先に審査官のほうから具体的に質問されるケースもあります。どのように尋ねられても慌てずはっきりと、落ち着いた声で返答しましょう。
留学目的であれば、シンプルに留学しにきた旨を"To study."と答えればOKです。ほかには、"To study at~."と大学名を伝えたり、"To study English."と語学留学であることを強調しても構いません。
もし観光目的であれば、"For sightseeing"(観光目的です)や"For vacation"(休暇です)など観光旅行である旨を伝えます。
ほかの言い回しとしては、"I’m here on holiday."(休暇で来ました)や"I’m a tourist."(観光旅行です)も使えます。
あとは、ビジネスであれば"For business."(ビジネスのために来ました)や、知人に会いに来た場合には、"To visit my friends."(友人を訪れる予定です)と伝えましょう。
滞在期間を尋ねられる際の質問です。
滞在の期間については、入国の目的と同様にほぼ必ず入国審査官から聞かれます。帰国のフライト便名や日付を頭に入れておくのと、滞在日数を英語でどう表現するのか覚えておきましょう。
滞在期間は、"How many days?"や"When are you leaving?"(帰国はいつ頃ですか?)という言い方で聞かれたりもします。How longのフレーズで聞かれなくても驚かないようにしましょう。
解答例としては、"Just 5 days."(5日間だけです)や"For a month."(1カ月間滞在します)と答えます。
帰国はいつかと、日程を聞かれた場合には"April 3rd."(4月3日です)と日付を答えます。あとは、何日後という表現として"I’m leaving London in 6 days."(6日後にはロンドンを発ちます)や、近日中の場合にはnext Tuesday(次の火曜日)のように曜日で伝えても大丈夫です。
滞在場所を尋ねられる際の質問です。
滞在先の詳細までは聞かれない場合もありますが、もし聞かれても慌てず答えられるように準備しておきます。"What’s your address in England?"や"Where to stay in England?"などのように、具合的に住所や宿泊先を質問されることも想定できます。
住所については番地まで答えられなくても、都市名や通りの名称は覚えておきましょう。ホテルであれば、ホテル名を答えられれば問題ありません。
職業を尋ねられる際の質問です。
日常では仕事をJobということが多いですが、入国審査では改まった言い方でOccupation(職業)と聞かれるので、単語に驚かず、スムーズに答えられるようにしておきましょう。
職業の解答例としては
「PUBLIC WORKER(公務員)」
「COMPANY EMPLOYEE FOR ~会社名(会社員)」
「ENGINEER(技術職)」
「FARMER(農業)」
「SELF-EMPLOYED(自営業)」
「SECRETARY(秘書)」
「PART-TIME WORKER(アルバイト)」
「HOUSEWIFE(主婦)」
などが挙げられます。
フリーターは英語ではないので使いません。また、NONE(無職)と返すと、就労目的の意味合いを含むのではないかと、余計なニュアンスで受け取られてしまう可能性があるので避けたほうが無難です。
帰国便について尋ねられる際の質問です。
ほかには"Is the return flight reserved?"(帰国便は予約済みですか?)や"Do you have a return flight ticket?"(帰りの航空券を所持していますか?)と聞かれることも考えられます。
日本国籍の場合、基本的には入国の条件として有効なパスポートやビザなどに加え、確約済みの帰国便もしくは第3国へ渡航する航空便の予約が必要です。
帰りの航空会社や便名、日付はいつでも答えられるようにしておきます。フライトの予約情報を提示できるように、eticketの控えや予約情報をプリントアウトしておくと安心です。
上記のように答え、入国審査官に予約情報が分かるものを提示すれば簡単でしょう。
同行者の有無を確認する質問です。
同行者の有無については1人旅の別の表現として、"Are you traveling alone?"と聞かれたり、"Are you traveling with your friends?"(友人と一緒ですか?)と質問されることもあります。
解答例として、同行者がいる場合には友人や家族と一緒の旨を伝えます。例えば"With my wife."(夫婦で来ました)や"With my family."(家族と一緒です)などと答えれば良いでしょう。
イギリスでは乗り継ぎであっても入国審査があります。入国審査の後の流れをご紹介します。
イギリスは最初の入国地点となる空港で入国審査および税関審査を受けます。国内線へ乗り継ぐ場合、到着導線に沿って入国審査場と税関検査場を通り、改めて国内線のフライトのカウンターにて荷物を預けなおします。
乗り継ぎ便は大概ひとつの旅程として予約をとるものです。
しかし、便ごとに手配する代理店が異なったり、あえて個人でフライト予約をインターネットなどでとったりした場合に、乗り継ぎ便の情報が相互のフライト予約内にリンクしていないケースもあります。
日本で搭乗手続きをするときに、受託手荷物のタグの印字は基本的に予約内の情報に基づきます。そのため予約がわかれていると、受託手荷物を最終目的地まで通しで預かることができません。また、乗り継ぎ先でも荷物の番号を提示する必要があります。
受託手荷物の情報がなければ乗り継ぎ便には搭載されないので注意しましょう。
荷物を最終目的地まで預けるには、国際線の乗り継ぎ先の航空会社間と提携しているなど条件があるほか、通しでタグの発行をできるのはあくまで予約情報がある場合に限ります。
イギリスの入国審査は時間がかかり、審査官の質問が多いなど、私が空港勤めをしていた頃から耳にしていた状況と大差ないようです。英語に自信がないと緊張するかもしれません。
質問を想定し心構えをしっかりしていれば、あとははっきりと返答すれば大丈夫です。イギリス英語は確かに音がユニークで他の英語圏とは違いますが、むしろきちんと発音しているので慣れれば聞き取りやすいですよ。
さらに自動化ゲートも導入され、滞在期間にもよりますが、長蛇の列に旅の疲れが増すことを回避できるようになったのは嬉しいですね。とにかく何でも準備があれば、気負わずに臨めるものです。ぜひ参考に準備を進めてみてください。
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