「マルタへ移住してみたいな…」
と思っている方。
マルタは人口40万人の、地中海に浮かぶ3島からなる独立国で、ヨーロッパの中でも有数のリゾート地として有名です。移住先としても近年人気を集めています。
とはいえ、実際にどうすればに移住できるのかわかりにくいですよね。
そこでこの記事では、マルタの移住事情について紹介します。マルタ移住に必要なことがわかれば、具体的な準備を進めることが可能です。
まずはマルタの移住について知っていきましょう!
なお、マルタ留学についての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
マルタ留学
*なお、本記事は1ユーロ=150円で計算しています。
[目次]
マルタは地中海に浮かぶ3島からなる独立国で、イタリア最南の島「シチリア島」のさらに南の沖合約90キロに位置します。ヨーロッパの中でも有数のリゾート地として有名で、年間約120万人の観光客が訪れます。
そんなマルタでは、実は親日家が多いです。
・日本製の自動車や家電製品
・日本の伝統文化
・日本食
・アニメ
・マンガ
などが人気で、日本語を学んだり日本へ旅行したりするマルタ人も多くいます。
マルタは近年、移住先として富裕層から人気があり、「第二のモナコ」として注目されています。
移住先として人気の理由は、
・英語が公用語
・低い税金
・手頃な物価と人件費
・温暖な気候
・良好な治安
・インターナショナルな環境
などが挙げられます。また以上の条件から、特に「ビジネス拠点」や「日本からの事業進出先」としても人気があります。
日本人の長期滞在者や永住者はマルタにまだ少ないものの、多くの日本人の旅行者と留学生が訪れており、外務省が公表しているデータによると、2017年のマルタ在留邦人数は167名です。
今回はマルタに滞在した中で感じたこと、現地で生活する友人から聞いた話などから移住について紹介します。
マルタはリゾート地として有名なだけあって、街並みや海沿い、立ち並ぶお店など、すべてがお洒落な雰囲気に包まれています。
地中海性気候のマルタは1年を通して過ごしやすく、年間の8割以上が晴れています。夏はもちろん暑いですが、湿度が低く日本のようなジメジメした暑さではありません。
現地の方の人柄も良く、治安面からも安心して過ごせるマルタは移住先として素晴らしい国といえます。
日本とマルタの生活環境の違いについては、
・物価
・治安
・文化
の3点からお伝えしますね。
富裕層の移住先として人気と聞くと、「物価はかなり高そう…」と心配になると思いますが、意外にマルタの物価は安いです。食品などの値段をざっと見てみましょう。
・ミネラルウォーター(2リットル×6本):2ユーロ(300円)
・パン、バケット(1kg):1.5ユーロ(225円)
・チーズ(500g):6ユーロ(900円)
食品に関してはかなり安いですね。さらに、病院や歯医者などで医療を受ける際は保険を持たなくても3,000~4,000円ほどの安い料金で受診することができます。
現地の人は国立病院に行けば無料で医療を受けられますが、待ち時間が長いため私立病院の医療を有料で受ける人も多いようです。それほど医療費は負担になりません。
一方、ちょっと高いなと感じるのが「外食」です。売店などは全然安いのですが、レストランなどに行くと日本で食べる感覚の2~3倍の料金が当たり前になっています。
また、現地の友人によると水道代が日本よりも高いとのことです。マルタの水道水は海水を処理したもののため、1立方メートル当たり200円前後するらしく、これは日本の1.5~2倍ほどの料金の高さとなります。
マルタは治安はかなり良いといえます。とはいえ、繁華街パーチャビル(サンジュリアン)と低所得者の多いアルバートタウン(マルサ)のエリアは注意しましょう。
また、マルタは車の運転も荒いので、道を歩く際には注意が必要です。
マルタには、紀元前8500年前の新石器時代から人が生活していたと言われ、今も歴史的な遺跡の数々が残されています。
長らくイギリスの支配下にあり、1964年にイギリスから独立。1974年にはイギリス連邦内のマルタ共和国となり、2004年にEU加盟を果たしています。
このような歴史があるため、マルタはイギリスの雰囲気を色濃く残している国です。
ざっくりとマルタについて説明してきましたが、ここではマルタに移住することのメリットについてお伝えします。
マルタの人はとてもフレンドリーで穏やかな方が多いです。道を歩いているときや買い物しているときなど、気軽に声をかけてくれます。
特に外国から来た人には興味があるらしく、1人と話していたらいつの間にか4~5人のマルタ人に囲まれていたこともありました。
マルタでは5歳から16歳までが義務教育となっており、公立の学校は無償で学ぶことができます。
大学も成績に応じた無償制度や奨学金が充実しており、教育面では日本よりもずっと優遇されています。
インターナショナルスクールもあるため、英語が話せない子どもがいる場合も安心です。
また、先ほども触れた通り医療費が安いため、医療面での負担は少ないです。国立病院であれば医療費は一切かからないのは生活する上では良い環境と言えるのではないでしょうか。
マルタは地中海の真ん中に位置しているため、ヨーロッパを旅行するうえで抜群のロケーションです。滞在中に色々な国を訪れてみたいと考えている方には大きなメリットとなるでしょう。
次は、マルタへ移住する前に知っておきたいデメリットについて紹介します。
土地の広さに対して車の量が多いため、慢性的な渋滞が発生しています。運転も日本と比べるとだいぶ荒いため、交通事故に巻き込まれるリスクも高いです。
バスなども利用できますが、マルタのバスは時刻表通りに運行していないことが多いため、日本と同じ感覚で利用しようとするとストレスが溜まるでしょう。
物価のところでお伝えしましたが、マルタの水道水は海水を処理して利用しているため、水の使用に対しては節約意識が高く、値段も高いです。
また、マルタのお風呂は基本的にシャワーで湯船はほとんどありません。加えてお湯は自動湯沸かし器のようなものではなく、一定量のお湯をタンクに溜めて使用する形なので、使える量が限られます。
タンクの水はだいたい15分~30分ほどで空になるため、さらにお湯を使うにはタンクにお湯が溜まるまで待たなければなりません。お風呂好きの方には、少し辛いかもしれませんね。
マルタにおいては、180日間以内のうち3カ月(約90日間)の滞在であれば、マルタ共和国でのビザは必要ありません。今回は90日以上の滞在のケースを想定して、マルタへ居住するための方法をお伝えします。
90日以上の滞在の場合、
・学生として移住する
・働くために移住する
・永住する
など、条件に合ったビザを取得することが必要です。
ここでは移住に必要なビザ5つについてお伝えします。
・学生ビザ
・労働ビザ
・居住許可ビザ
・投資家ビザ
・永住ビザ
紹介した5つのビザごとに、具体的な条件を確認していきましょう。
「学生ビザ」は、マルタ語学学校や大学などへ長期留学するためのビザです。
申請には、
・入学許可証(学校は決まっているか)
・滞在計画書(いつからいつまで、何を学ぶのか)
・財務計画書、銀行残高証明書(金銭面の問題はないか)
・住居証明書(住む場所は決まっているか)
・往復航空券
などが必要で、他の国とほぼ変わりません。
「労働ビザ」は、マルタで就職・就労するために必要なビザです。
申請に必要なものは、
・雇用契約書(勤務先が決まっているか)
・滞在期間中の経費が保証されることの証明書(金銭面の問題はないか)
・住居証明書(住む場所は決まっているか)
・最終学歴証明書
・往復航空券
です。いきなり現地で労働ビザ取得は難しいので、あらかじめ日本で就職先を探しておくのが良いでしょう。
「居住許可ビザ」は、マルタ共和国に3カ月以上の長期滞在するためのビザです。
申請に必要なものは、
・身元保証書
・住居証明書(住む場所は決まっているか)
・滞在期間中の経費が保証されることの証明書(金銭面の問題はないか)
です。
投資家ビザは、正確には「個人投資家プログラムビザ(Individual Investor Programme)」と呼び、マルタに投資することによって国籍を取得できるビザです。
その条件は、普通の感覚からするとなかなかハードルが高いといえます。
・申請者は18歳以上であり、12カ月間マルタの居住者であること
・最低5年間、35万ユーロ(5,250万円)以上の不動産購入があること
・最低5年間、年間1万6千ユーロ(240万円)の賃貸契約があること
・国家開発社会基金に貢献すること
・アイデンティティーマルタによって特定される、株式、証券、自動車などへ5年間で最低15万ユーロ(2,250万円)投資すること
・申請者は健康保険で最低5万ユーロ(750万円)の補償があること
永住ビザは、正確には「マルタの永住権ビザ(Malta Residency and Visa Programme)」と呼び、定められた金額の不動産購入や賃貸契約を行うことによってマルタ居住権を取得できるビザです。
こちらのビザもかなりハードルは高いといえます。その条件は以下の通りです。
・18歳以上であること
・国外で年間10万ユーロ(1,150万円)の所得がある、又は50万ユーロ(7,500万円)以上の資本を所有していること
・母国において犯罪歴がなく、10年以内に6カ月以上滞在歴があること
・申請者とその家族は健康であり、有効な保険証を所持していること
・初期費用代5500ユーロ(82万5,000円)、寄付金2万4千ユーロ(360万円)を支払うこと
・居住証明発行から5年間は以下のいずれかの方法で資産を保有すること
【不動産の購入】
マルタ南部・ゴゾ島であれば最低27万ユーロ(4,050万円)、それ以外の場所であれば最低32万ユーロ(4,800万円)の不動産を購入すること
【賃貸契約】
マルタ南部・ゴゾ島であれば最低1万ユーロ(150万円)、それ以外の場所であれば最低1万2千ユーロ(180万円)の不動産の賃貸契約をすること
【その他】
上記以外の方法で25万ユーロ(3,750万円)以上の資産を保有すること
移住そのものに対して定められた語学力の基準はありませんが、一般的に現地で働く場合は、IELTS Generalのoverall 5.0~6.0は必要と言われています。
マルタへ移住するにあたり、90日以内であればヨーロッパ諸国と同等の費用感で滞在が可能ですが、それを超える場合は「居住税」として毎年2万~2万5,000ユーロ(300~375万円)を納める必要があります。
物価は日本より安めのため、滞在費はそれほどかかりません。アパートをシェアする形であれば部屋代は水道光熱費込みで、1カ月5万円程度で収まります。食費も自炊を中心にすれば2~3万円に抑えることが可能です。
マルタの主要産業は観光・漁業ということから、本格的な就職先を探すのは難しいと言わざるを得ません。
もちろん求人はゼロではなく、日本人向けに多い求人は、
・寿司職人など、和食レストランの求人
・ツアーガイド
・お土産屋
などです。
マルタの観光シーズンは4月~10月。その間の求人数は多くなるので、求職活動をするのであればその期間がおすすめです。
マルタへの移住が他のヨーロッパ諸国と異なる点は、移住に必要な「金銭的な負担」です。
先ほどお伝えした通り、マルタへ本格的に移住する方に求められる経済力はかなり高く、多くの人にとっては現実的ではありません。
学生や就労を希望する場合であれば、学生ビザ・就労ビザの取得は比較的簡単なので、そちらを利用しましょう。
ここまで、マルタへの移住についてお伝えしました。
マルタの人口は約40万人と国としては小さいですが、年間120万人の観光客が訪れるリゾート地でもあります。移住先としても人気が高く、特に富裕層に好まれています。
本格的な移住にはかなりの経済力が求められ、そのハードルは決して低くありません。しかし、学生ビザや就労ビザを用いての長期滞在は可能です。人柄が豊かで、美しい海に囲まれたマルタは、住む場所としては理想的といえます。
まずは、移住するにあたってどのビザが使用できるか確認することからはじめましょう!
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