近年、英語語学留学の選択肢の1つとして「フィリピン留学」が広く認知されだしている中で、
「フィリピン人講師との授業ってどうなの?」
「ネイティブ講師とフィリピン人講師の違いを知りたい!」
など、疑問や興味をもっている方も多いかと思います。
私は現在、フィリピンにあるネイティブによるマンツーマンレッスンを提供している語学学校に、1年以上スタッフとして在籍しています。これまでフィリピンに合計2年半滞在していますが、その間100%フィリピン人講師の学校で留学生とマネージャーとして1年以上在籍し、また10年ほど前にもセブにあるフィリピン人講師のみの学校にも3週間だけ留学を経験しました。
今回はこれからフィリピン留学を考えている方に向けて、私のこれまでの経験をもとに、フィリピン留学をするなら知っておくべきフィリピン人講師とネイティブ講師のレッスンの違いを解説していきたいと思います。
なお、フィリピン留学で人気の語学学校は下のページでまとめているので、具体的な学校を見ながら検討したい方はあわせてチェックしてみてください。
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フィリピン人講師の教えるのが上手で友達や家族を大切にする性格は、教師に向いているというのはよく聞く話かもしれません。私も同感です。
そういったフィリピン人講師のマンツーマンレッスンでは、英語初心者の方でも思う存分英語の練習ができます。しかも講師は、英語を使用してさまざまな仕事の経験があります。1つ言えることは、英語レベルはおそらく日本の公立高校の英語教師よりも上でしょう。実は日本の英語教師もお忍びでフィリピンまで英語を学びにきているのが現状です。
フィリピン留学では、そういった実力のあるフィリピン講師とたくさんのマンツーマンレッスンが受けられるのです。これに私たちが魅了されるのも無理はないでしょう。日本からたった4時間半で英語をしっかり学べる環境があると思えば、気軽にというわけではありませんが、短期でもいいので英語学習を続けるためにもフィリピンに通うことをおすすめします。
さて、フィリピン留学ですがここまで肯定的なことばかり言ってきましたが、フィリピン人講師100%の学校はあまりおすすめしないというのが私の考えです。というのも、ネイティブとフィリピン人講師では「あきらかに異なるもの」があるからです。それは発音、アクセント、そして表現力の問題です。
ご存知の通りフィリピン人は、英語とは別に自国の言葉を持っています。島国であるフィリピンでは言葉が地域によって異なり、有名なタガログ語などを含めて、その現地語の数は80ほどになると言われています。
つまり学校で生徒に英語を教える時や、仕事などで使う以外は、日常でタガログを話すということです。もっと言えば彼ら彼女らが喜怒哀楽で何かを表現するときは、タガログ語で表現したりします。これらがその発音、アクセントそして表現力の問題に繋がってくるのです。
実際にいままでフィリピン人講師のみのレッスンを受けていたが、ネイティブ講師との会話になると戸惑ってしまう、なんて生徒さんに出くわすこともよくあります。
1つ目のアクセントの問題ですが、これは単純にネイティブと話してみれば分かることです。フィリピン人講師とアメリカ人講師では言葉の抑揚のつけ方が違います。
ですがフィリピン留学においては、英語を学びに来ているにも関わらずネイティブ講師と話す機会をなかなか確保できないのは事実です。
私はフィリピン人講師の比率が100%の学校に、1年4カ月ほど在籍しました。その後ネイティブ講師のレッスンを受けることができる現在の学校に移ることになったわけですが、移ってきた最初の2カ月はネイティブ講師との会話に苦労しました。ネイティブ講師の抑揚のある言葉が聞き取れなかったのです。
ですが2カ月後、ネイティブとの会話に少し慣れたころ、うれしいことに英語でラジオやテレビの視聴がスムーズになりました。その瞬間を今でも覚えています。やはりネイティブ講師とのレッスンは、将来英語を使って仕事をしたいのであれば、必要なことだと思うわけです。
2つ目の発音の問題は、これは私たちも英語を第二言語として学んでいるのでシンプルに分かることだと思います。
私は専門家ではありませんので詳しいことは言えませんが、そもそも声帯の震わせ方に違いがあることは確かでしょう。日本語はどちらかというと喉の前方、英語は喉の後方、大きな黒人の方なんてときどきお腹から出しているなぁなんて思ったりもするものです。
一方で、多くのフィリピン人が話すタガログ語は日本語と似ていて、喉の前方を使用しているイメージです。
息のインとアウトの使い方などでもまた違ってくるとは思いますが、日本人の生徒さんがよくフィリピン人講師の言葉は聞きやすいが、ネイティブになると難しくなるという理由の1つがそこにあると思います。また英語がよくできるフィリピン人講師でさえ、ネイティブ講師との会話に苦労しているケースもあるのです。
3つ目の表現力の問題です。現在ネイティブが在籍している学校に来て、ネイティブと日常をともにして苦しさを感じたのは、ネイティブの表現力の多さ。その表現力は、フィリピン人講師からでは感じるのことのない広く深いものです。ネイティブと会話をしていると、自分の持っている語彙力の不足を感じることになります。
語彙力にはいろんな考察があるようですが、ネイティブと対等に話すためには少なくとも1万語以上の単語数が必要となるようです。ちなみにTOEICで必要なの単語数は、4000語前後ともいわれています。現在の学校にはTOEICの800点や900点を持っている生徒さんがよく入学されますが、彼らがネイティブと話しスピーキング力を伸ばしたいという理由でわざわざフィリピンまで留学をしにくることもうなずけます。
そして残念ながら日本人の持っている語彙力は、皆さんが思っている以上に少ないようです。よく会話には「3000語でいい」なんて話しや、「日本人は大学受験までしっかりやっていたから大丈夫」なんて話を聞きます。ですが私からみれば、それらの言葉は鵜呑みにできるほど根拠のあるものではないです。
フィリピン人講師の英語も第二言語です。仮に6カ月や1年フィリピン人講師のいる学校でしっかり学んだとしても、ネイティブとの会話ができない、なんてことになる可能性があります。これは、これまでフィリピン人講師しかいない学校から、ネイティブ講師がいる現在の学校に来た生徒さんからヒアリングしてきた結果言えることです。
これまでいろいろな生徒さんを見てきましたが、フィリピン人講師のみの学校に在籍していた生徒さんと比べて、圧倒的にネイティブ講師のレッスン、特にマンツーマン授業を受けた生徒さんのほうが英語力の伸びるスピードが速いです。「あれこの生徒さん、こんなに英語しゃべれたっけ?」なんてことにもよく出くわします。
それはなぜか。その理由の1つに講師との信頼関係があると思います。
おそらく皆さんの目標は、将来アメリカ人やイギリス人と普通に会話ができるようなりたいということではないでしょうか?目の前に目標とするネイティブがいるとなれば、この人と話せるようになれば英語が話せるようになる、聞きとれるようになると信じることができるはずです。
そして2つ目の理由は、前段で触れた、ネイティブ講師は喜怒哀楽を英語で表現するということでしょう。ネイティブ講師あるあるですが、初めて聞く単語でもおそらくこういうことを言っているんだな、と予測がつけやすいということがあります。初心者の方こそネイティブ講師の英語を体感するべきかもしれません。
またフィリピン人講師も、ネイティブ講師の英語力を目指している途上だったりするのが現実です。実は私が現在在籍している学校にいるフィリピン人講師は、ネイティブ講師と働く中、結構緊張しているようです。実際彼らは、ネイティブと一緒に仕事をする中で英語のスキルアップを図っているようです。
ここまでフィリピン人講師とネイティブ講師の対比をさせながら話してきました。現在フィリピンにはさまざまなコンセプトをもった学校が存在しますが、私の結論は、まずESLの枠組みの中で英語を身に着けたいのであれば、絶対にネイティブ講師との授業を受けるべきだということです。
2020年のオリンピックも控える中、相当数の方がフィリピンや他国へ英語習得の旅をしています。
1988年にソウルオリンピックが韓国で開催された時、実は大会前よりか大会後に英語ブームに火がついたようです。大会中にたくさんの外国人が韓国に訪れ、英語の必要性を感じた韓国人がたくさんいたというのはうなずける話です。
日本でも現在2020年に向けて英語を使ってお手伝いがしたいという人たちが増えていますが、おそらく日本での英語文化の開幕はオリンピック後にやってくると予測できます。終わりではなく始まりということです。
そう考えると今がチャンスと思い、英語を積極的に学んでいかないといけません。私はみなさんに早めに留学することをおすすめします。当コラムが留学を検討しているすべての方の参考になることを願っています。
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