アイルランドへの語学留学を検討されている方に、実際にアイルランド(ゴールウェイ)で語学留学をした私が「なぜアイルランドで留学をすることに決めたのか」「アイルランドで留学してどうだったのか」についてご紹介します。
アイルランド留学のための参考にしてもらえればと思います。
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私は大学で英文科を卒業した後、貿易会社で仕事をしていて毎日のように英語を使っていました。
仕事は面白いものでしたが、長く続けると使う英語はパターン化されたものになってきます。
何か違うことをやってみたいなと考えたときに、翻訳を勉強してみたいという気持ちが出てきました。
社会人になってから英語をもう一度勉強し直すと方法を考えると、翻訳に必要な「ニュアンス」を汲み取るには、一度生活してみることが大事だと思い立ちました。
それでは英語圏で生活してみよう、一番簡単な手段は語学留学だ、と考えたのです。
学生の頃、大好きな英語の先生が教材として使っていたのが「ナルニア国物語」でした。
授業で読んだのはシリーズ最初の物語「ライオンと魔女」だけでしたが、物語の魅力を知るのは十分でした。
その面白さにすっかりハマッてしまって、就職してから初任給でさっそく全巻を買い揃えることに。
作者のC・S・ルイスはアイルランド系イギリス人ということで、続けて彼の作品を読むうちに、こんなお話を書く背景を知りたくなりました。
ルイス自身は北アイルランド出身ですが、アイルランドはもともと妖精や妖怪が人々の生活に深く根ざした文化を持つ国なのだと知りました。
イギリスの一部となり工業地帯となった北アイルランドに比べて、南部のアイルランド共和国は文学と音楽が有名な国ということが分かってきたのです。
私はもともと欧米の文学が好きで、いろいろな作家の作品を読んでいるうちに、オスカー・ワイルドやジョナサン・スウィフトなどを知りました。
彼らもアイルランド出身です。
欧米文学が好きといっても、時には好みに合わない作品もあります。
ただ、彼らアイルランド人作家の作品はどれも好きなものが多く、その出身地を訪れてみたいという気持ちになったことがアイルランドに憧れる理由のひとつにもなりました。
「アイルランドを留学先にしたい」と言うと、周りの人からはどうしてイギリスやアメリカではないのか、オーストラリアなら治安もいいなどと勧められました。
英語に訛りがあるだろうから行っても無駄、とも言われました。
でもイギリスやアメリカは遊ぶために語学留学している人も多いし、30歳を過ぎてからの私では馴染めないかなと感じていました。
オーストラリアに関しては、やっぱり独特の言い回しが多過ぎるのが気になりました。
「ナルニア国物語」を知る前に読んで、愛読書のひとつだったのが「風と共に去りぬ」でした。
主人公スカーレット・オハラのお父さんはアイルランド人です。
お父さんがアイルランド人の土地に対する愛を語る場面があって、理解はできないものの印象に残っていました。
アイルランドに行きたいと調べてみるうちに、長くイギリスの植民地として搾取されたあげく、たくさんの人がアメリカに移民として渡ったということを知りました。
アメリカに移ったのは、「自分の土地が持てる」ということも魅力のうちだったといいます。
アイルランドに今もたくさん残る妖精話も、日本のおとぎ話と似たところがあります。
いろんなものに魂が宿るという考え方はキリスト教にはありませんが、日本とアイルランドにはそれがある、ということを知って親しみを持つようになりました。
英語を勉強する上でキリスト教に関する知識は欠かせないと思いますが、短期間でも生活するのなら日本と似た感覚のところの方がいいかもしれないとも思いました。
アイルランドに関する資料を探していたときにラジオの深夜番組でエンヤを知りました。
聴いてすぐにこれはいい、と思って、翌日にはアルバム「ウォーターマーク」を買ったのです。
エンヤに関する知識は何もなかったのですが、後で彼女はアイルランド出身ということを知りました。
それがきっかけになって、ジェームズ・ゴールウェイやクラナドなどアイルランド出身のミュージシャンの音楽もいろいろと聴くようになりました。
集めた資料の写真で見るアイルランドの風景と彼らの音楽はとてもよく合って、ぜひこの風景を実際に見たいと思うようになったのです。
また、その頃に知ったケルト民族の伝承物語や歴史なども「神秘の国アイルランド」というイメージにぴったりと合ったのです。
私の好きな「ナルニア国物語」や「指輪物語」の舞台として考えられるのはこの国だという、自分なりの結論まで持つようになりました。
そうなると、どうしても憧れの国で暮らしてみたいと考えるようになるのは当たり前だったと言えるかもしれません。
実際に留学をしてみると、アイルランドは欧米人の間では人気の観光先であることを感じました。
そのため、ひなびたイメージがあったアラン諸島でも、観光客のための施設などは結構しっかりとしたものがあります。
私は少しでもアイルランドの奥地を探検したくて、ゴールウェイの語学学校を選びました。
学生の町という側面もありましたが、夏休み中は学生もみんなバカンスに出かけていて、街が少し寂しく感じました。
もともと大きな町ではありませんから、探検するといってもそれほど時間もかかりません。
でもアラン諸島観光の窓口となるところでもあるため、観光ツアーなどは充実していましたし、観光案内所の人も親切でした。
街にはしっかりした本屋さんもあって、絵本やベストセラーから専門書まで、いろいろと揃えることができました。
パブも数多くありました。
ただ、ゴールウェイは、「見所」はあまりない街だとは思います。
ダブリンのようなもっと大きな町にいた方が、博物館やダブリンを拠点とした観光ツアーもたくさんあって、退屈はしないと思います。
治安も悪くないし、人々も基本的には親切なアイルランドは、外国人も過ごしやすいところだと思います。
訛りがあるのではと言われた英語も、そういうことはありませんでした。
地方に行くと人々は独特のリズムで話しますが、単語が聞き取れないというような独自の言い回しもありません。
語学学校に関してはイギリスやアメリカでも変わらないと思いますが、地元の人々との英語となっても英語学習者には分かりやすいかなという印象がしました。
文学の国だけあって、ダブリンには「作家ゆかりのパブ」を巡るツアーというものもあります。
パブクロールといって一晩でいくつかのパブを回るので、効率的で楽しいものです。
ただしエチケットとして各パブで何か注文することとなっているので、あまり飲めない人にはつらいかもしれません。
もちろん有名な音楽パブを巡るツアーもありますから、アイリッシュ・ミュージックが好きな人も楽しいと思います。
アイルランドでも観光地として開けている都市には、「ナルニア国物語」や「指輪物語」の世界の雰囲気は、あまりありません。
でもブラウニーやバンシー、ピクシーなど、古くからの妖精の仲間はやっぱり愛されているようです。
お土産としてそこかしこに人形があったり、古い木や自然現象を大切にする習慣はあちこちで目にすることができました。
写真でよく見るような白い壁・茅葺の屋根・鮮やかな緑や赤の扉の家々も、ちゃんと見ることができました。
アイルランドに実際に留学した筆者からの「アイルランドで留学をしようと思った理由」と「実際にアイルランドで留学して感じたこと」をご紹介しました。
アイルランドでの留学は、アメリカやイギリスでの留学とは違った文化、違った人とのふれあいが感じられることは確かです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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