ニュージーランド鉄道の特徴と魅力を徹底解説!渡航前に知っておきたい鉄道情報まとめ

旅行や留学でニュージーランドに行く際、現地での交通手段に不安はありませんか?日本とニュージーランドでは交通事情が異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

今回はニュージーランドの鉄道事情から予約方法、切符の買い方まで幅広くご紹介します。

これからニュージーランドに行く予定のある方も、すでにニュージーランドに到着している方も、ぜひ参考にしてくださいね。

なお、ニュージーランドの観光情報については下のページでまとめているので、おすすめの観光スポットや人気の料理などを知りたい方はチェックしてみてください。
ニュージーランドのおすすめ観光スポット・イベント・グルメを紹介!
※記事内ではニュージーランドドルをNZDと表記し、為替レートには2023年6月15日時点の情報を参照し、1NZD=89円で計算しています。

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ニュージーランドの鉄道は主に3種類

ニュージーランドの鉄道は、日本のように全国に路線が張り巡らされているわけではありません。現地の人々の移動手段はバスや車がメインです。

では、どのようなときにニュージーランドでは鉄道を利用するのでしょうか?ニュージーランドの鉄道は大きく分けて次の3つに分類できます。

  • ・長距離鉄道
  • ・ローカル鉄道
  • ・保存鉄道

それぞれの内容について、詳しく見てみましょう。

長距離

ニュージーランドでは、おもに次の4本の長距離列車が利用されています。

  • ・ノースアイランド本線を走る北島を縦断するノーザン・エクスプローラー号北
  • ・島のパーマストン・ノースからウェリントン間を走る「キャピタル・コネクション号」
  • ・南島の東岸、クライストチャーチからピクトン間を走る「コースタル・パシフィック号」
  • ・地方の人が地方から都会に出る際に利用する「トランツ・アルパイン号」も、観光客の利用

これらを利用する乗客のほとんどが、観光客です。どの鉄道も有名観光地を巡りながら、ニュージーランドの大自然の中を走り抜けます。

それぞれの詳しい内容については、後述の「ニュージーランドで主要な長距離鉄道」にて解説します。

ローカル鉄道(オークランド・ウェリントン)

オークランドやウェリントンなど、ニュージーランドの中でも人口が多い一部の都市では、通勤や短距離の移動で利用するローカル鉄道が走っています。

オークランド

ニュージーランド中の人口のうち3分の1がオークランドに住んでいます。人口が多い街であるオークランドは商業や交通も発達しており、ローカル鉄道も他のエリアより充実した環境です。

しかしそうとは言っても、東京都心部のように駅がたくさんあるわけではありません。オークランド市内の中心地にある駅はブリトマート駅だけです。さらにブリトマート駅に到着する電車も、30分に1本ほどです。

そんなオークランドの交通事情を改善するために、2024年には新たな鉄道路線が完成予定です。新たな鉄道増設のプロジェクト名はCity Rail Linkです(※1)

City Rail Linkが実現すれば、これまでの電車移動に関する利便性の低さが解消され、オークランドの道路の交通渋滞も緩和されることが、期待できます。

ウェリントン

ニュージーランドの首都であるウェリントンには、大きな駅「ウェリントン・レイルウェイ・ステーション(Wellington Railway Station)」があります。

この駅はバスや電車などの主要な交通機関の出発地点であり、他の駅よりも到着地の選択肢が豊富です。「メットリンク(Metlink)」という企業が、電車・バスの運営を一手に担っています。

保存鉄道

保存鉄道とは蒸気機関車やディーゼル機関車など、人や物の運搬を目的としないヴィンテージ鉄道のことを指します。ニュージーランドでは保存鉄道も走っており、そのほとんどが観光客向けです。

保存鉄道の運営は、ヴィンテージ鉄道の保存グループによって支えられています。ウェカ パス鉄道(Weka Pass Railway)、ブッシュ・トラムウェイ・クラブ(Bush Tramway Club)、ギズボーンシティ・ヴィンテージレイルウェイ(Gisborne City Vintage Railway)などは観光客からの人気も高く、世界中の鉄道ファンが羨望の眼差しを送る列車なのです。

ニュージーランドで主要な長距離鉄道

ニュージーランドを訪れた際にぜひ体験してほしいのが、長距離鉄道での移動です。長距離鉄道は車窓からニュージーランドの雄大な景色を堪能でき、大自然の空気をその肌で感じられます。

ニュージーランドのおもな長距離鉄道の路線について、詳しく解説します。

ノーザン・エクスプローラー号(オークランドーウェリントン)

ノーザン・エクスプローラー号は、オークランドとウェリントンを結ぶ長距離列車です。648kmもの走行距離を約12時間かけて移動します。

ノーザン・エクスプローラー号が駆け抜ける地は、世界遺産に登録されているトンガリロ国立公園の火山地帯、電車が大きく弧を描くように進むラウリムスパイラルなどです。

途中、ピティ海岸の景色も楽しめるため、山・海の両方の空気を車窓から堪能できます。

乗車料金は8月5日の乗車日を指定した場合、189NZD(約1万6,821円)です。(※2)

コースタル・パシフィック号(ピクトンークライストチャーチ)

コースタル・パシフィック号はピクトンとクライストチャーチを結びます。乗車時間は約6時間ほどです。

コースタル・パシフィック号からは、カイコウラ山脈や太平洋の景色、グラスミア湖の塩田などが眺められます。また、マッコウクジラやシャチ、ザトウクジラが訪れる海辺の集落カイコウラを通る点も、この列車の魅力です。

価格は9月23日を乗車指定日とした場合、177NZD(約1万5,753円)です(※3)

トランツ・アルパイン号(クライストチャーチーウエストコースト)

クライストチャーチとウエストコーストを結ぶトランツ・アルパイン号は、東海岸から西海岸に向かって、サザンアルプスを横断します。乗車時間は5時間ほどです。

雄大な景色を眺められる高架橋、山好きにとって憧れの山アーサーズ・パスの雄大な緑や雪景色を楽しんで目的へ向かいます。

乗車価格は8月12日に乗車をする場合で199NZD(約1万7,711円)です(※4)

キャピタル・コネクション(パーマストンノースーウェリントン)

パーマストンノースとウェリントンを結ぶキャピタル・コネクションは、平日朝にのみ運行する長距離列車です。

ウェリントンへの通勤電車として活用する人も多いことから、車内では地元の人との会話も楽しめます。

価格は25.5NZD(約2,270円)です(※5)。こちらは通常期間の値段であり、4月22日〜6月23日に乗車する場合は値段が下がります。

ニュージーランド鉄道の乗車券の買い方

続いて、鉄道の乗車券を購入する方法についてご紹介します。乗車券を購入する方法は「前売り券」「当日券」のどちらを選ぶかで異なります。

それぞれの購入方法について、詳しく見てみましょう。

前売り券を購入する場合

前売り券の購入はネット予約か、日本の旅行会社に予約、窓口での購入の3つの方法があります。

ネット予約の場合、現地のツアー会社のホームページから予約が可能です。日本に滞在中でも予約はできるため、渡航中に鉄道を利用する予定の方は、早めにチケットを購入しておきましょう。

英語に自信がない方は、日本の旅行会社を活用するのも良いでしょう。旅行会社が提供するニュージーランドの旅行ツアーの中には、鉄道の旅を楽しめる商品もあります。鉄道の旅が含まれるプランを申し込めば、旅行会社が乗車チケットの手続きをしてくれます。

現地に到着後、もしくはすでにニュージーランドに滞在中の方は、駅の窓口やビジター・インフォメーションセンターなどでもチケット予約が可能です。休日や観光シーズンは来訪者が多く混雑する可能性があるため、空いている時間・時期に訪ねたほうが良いでしょう。

当日券を買う場合

当日券は、駅の窓口で購入できます。窓口が混雑して発車時間に間に合わない、といったことがないように、時間に余裕を持って購入手続きを済ませましょう。

また、窓口が混んでいる場合は券売機でも当日券の購入ができます。券売機の操作は難しくなく、表示されている画面に行き先を入力し、支払いをすれば完了です。

ニュージーランドでの鉄道の乗り方

ニュージーランドの鉄道を活用する際、「日本の乗車方法とルールが違う点はないか」「改札で、もたついてしまったらどうしよう」など、不安になるかもしれません。

ここからはニュージーランドでの鉄道の乗り方についてご紹介します。あらかじめ乗り方のハウツーを学んでおくことで、現地での鉄道の利用に対して、心の準備ができるでしょう。

STEP1:乗車券の発券

まずは乗車券の発券をしましょう。当日券を購入予定の場合は、窓口か券売機へ向かいます。インターネットで事前予約をしている場合は、電子メールに送信されるEチケットを使って発券しましょう。

Eチケットをプリントアウトしている場合は、印刷した用紙が乗車券となります。プリントアウトが済んでいない場合は、駅構内にある発券機端末でEチケットを提示すれば、乗車券が入手できます。

STEP2:改札通過

乗車券を持って、改札へ向かいましょう。

「AT HOPカード」というニュージーランドの交通機関で使用できる電子マネーを持っている方は、専用の自動改札口を利用します。AT HOPカードは日本のSuicaやPASMOとシステムや利用方法がよく似ており、改札を通り抜ける際も取り付けられた端末にタッチすればOKです。

紙のチケットで改札を通過する場合は、駅員がいる改札口を利用しましょう。チケットを確認後、ホームへと通してくれます。

STEP3:プラットフォームの確認

プラットフォームに到着後は、自分が乗る電車の到着口を再度確認してください。ニュージーランドでは電車の到着ホームが変更になることが少なくありません。

目的の電車が入るホームに着いたら、黄色い線の内側で電車の到着を待ちましょう。

STEP4:乗車

目的の電車が到着したら、乗車をします。ニュージーランドの電車は、ボタンを押さないとドアが開かないタイプもあります。入り口にボタンがあるタイプの電車の場合は、ボタンを押してドアを開けましょう。

乗車の際は、日本と同じく降りる人がいなくなってから乗るのがマナーです。

STEP5:下車

目的の駅についたら、降車をします。出口に改札口がある場合は、行きと同じように通過をしましょう。

改札口がない出口の場合、チケットは破棄しても構いません。改札がないことでキセルを考える人もいますが、キセル防止として駅スタッフが電車内の見回りをしています。「チケットを見せて」と言われた際は手渡して、確認をしてもらいましょう。

また、キセルがバレた場合は罰金になります。大事な滞在資金を無駄にしないように、乗車区間分のチケットをしっかり購入しましょう。

ニュージーランドで鉄道で気になるFAQ

ニュージーランドで電車の旅をする際に、不安なことや気になることもあるかと思います。ここからは、ニュージーランドの鉄道に関するよくある疑問と回答について、ご紹介します。

当日にチケットは買えますか?

ニュージーランドの鉄道のチケットは当日でも購入は可能です。

しかし特に長距離列車では当日は予約が埋まっており、希望する列車のチケットが購入できないリスクがあります。なるべく事前予約でチケットを入手したほうが安心です。

ニュージーランドの鉄道は遅延や運休が起きますか?

ニュージーランドの鉄道の運行時刻は、日本ほど正確ではありません。極端に遅れることは少ないですが、予定通りに運行されない可能性も考慮して行動しましょう。

また、週末や祝日などは、列車が運休になることもあります。デモやストライキなどで電車が止まることも少なくないため、予定が入っている場合はこまめに公式サイトをチェックして、運行状況を確認しましょう。

路線図はどこで見つけることができますか?

ニュージーランドの主要な長距離鉄道を運行するグレイトジャーニーの路線図は、グレイトジャーニーの公式サイトより確認できます。

また、インターネットで「駅名 路線図」を英語訳して検索をすると、希望する内容が表示されます。ぜひ、現地での鉄道の旅に役立ててください。

ダウンロードするといいアプリはありますか?

「Googleマップ」「MetService」「New Zealand Travel Guide by Triposo」
などは、ニュージーランドに滞在する際に活躍するアプリです。

Googleマップは地図として、MetServiceは地域の天気予報を確認する際に重宝します。New Zealand Travel Guide by Triposoは、ニュージーランドの観光スポットやレストランなどを教えてくれるアプリです。

これらのアプリはニュージーランド政府観光局もおすすめしているため、滞在中はスマホにインストールしておくと良いでしょう。

ニュージーランドを旅するなら鉄道とバスどちらがおすすめですか?

ニュージーランドでの移動は、長距離移動なら電車がおすすめです。近距離の移動ならバスを活用したほうが効率的です。

バスは大きな都市はもちろん、都心を離れた田舎のエリアでも運行しています。本数は日本ほど多くないため、移動時間に注意してください。

ニュージーランドに寝台列車はありますか?

2023年現在、ニュージーランドに寝台列車はありません。移動時間が長い鉄道を利用する際も、基本はシートでの着席か観覧席で立っているかの2つの方法で、到着地まで過ごします。

電車の中で睡眠を取りたい場合は、アイマスクや肩に乗せるタイプの枕などがあると便利です。

まとめ

本記事ではニュージーランドの鉄道事情から種類、チケットの発券方法や注意点までご紹介しました。

ニュージーランドでは鉄道が現在も建設中のところが多く、値段も決して安くはありません。しかし鉄道に乗ることでしか見られない絶景も、多くあります。そのため長時間の鉄道旅行はニュージーランドの旅の醍醐味として、多くの観光客から人気です。

気になる鉄道を見つけたらぜひ利用して、ニュージーランドでしか味わえない風景を楽しんでみてくださいね。

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    【参考文献一覧】

    ※1...City Rail Link(参照日:2023年6月15日)

    ※2...Great journey NZ「Northern Explorer Train」(参照日:2023年6月15日)

    ※3...Great journey NZ「Coastal Pacific Train」(参照日:2023年6月15日)

    ※4...Great journey NZ「TranzAlpine Train」(参照日:2023年6月15日)

    ※5...Great journey NZ「Capital Connection」(参照日:2023年6月15日)

    この記事を書いた人

    けんわたなーべ

    都内在住のカメラマン兼ライター。 バリ島をきっかけに海外にハマり東南アジアを中心に回っています。カンボジアの現地日系企業で働いた経験あり。趣味は旅行と歌と料理。

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