イギリス留学前に予防接種は必要?気をつけたい病気や出発までのスケジュールなどを徹底解説

「イギリス留学って予防接種は必要なのかな…」

と悩んでいる方。

イギリス留学では、成人に対して特にワクチンの接種義務はありません。しかし細菌性髄膜炎など、イギリスで流行している病気もあり、不安な場合は日本での対策がおすすめです。

とはいえ、具体的に必要な予防接種は、なかなかわかりにくいですよね。

そこで今回は、イギリス留学で気をつけたい病気や必要な予防接種、病気にかかった場合の対策を紹介します。

なお、イギリス留学の準備についての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な準備を進めたい方はチェックしてみてください。
イギリス留学前の準備の流れ

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イギリス留学前に予防接種は必要なし

イギリス留学の予防接種について、

  • ・ワクチン接種の必要性
  • ・イギリスの医療制度
  • ・予防接種できる場所

を解説します。

予防接種は義務ではない!

イギリス留学や旅行において、成人している人の予防接種は義務ではないです。大学でも語学学校でも特に義務ではなく、黄熱病やマラリアなどの疫病の流行もありません。

ただしイギリスでは、細菌性髄膜炎などが流行することがあります。これは予防接種である程度は予防できるため、不安な人はワクチンの接種をおすすめします。

そしてイギリス現地でワクチンを接種する場合、イギリスの保険「NHS」に加入する必要があります。

イギリスの医療レベルと保険「NHS」

イギリスは医療制度が充実しています。

国民保険制度「NHS(National Health Service)」という、医療費を国が負担するシステムがあります。

この制度によって、イギリス国民は国立や公立の病院の受診に、医療費を支払う必要がありません。保険に加入することで、診察代と治療費が無料になるのです。

イギリスに6カ月以上の長期留学をする場合は、この「NHS」への加入が義務付けられています。

またイギリスで予防接種を受けるときも「NHS」の加入が必要です。ただし保険料として150ポンド(約2万1,300円)が必要なため、あらかじめ日本で接種することをおすすめします。

予防接種はどこで受けられる?

ワクチンは病院や検疫所で接種できます。ただし料金は、都道府県や自治体によって異なります。

事前に地域の検疫所や病院に問い合わせてみてください。

イギリス留学には予防接種が必要ありませんが、気をつけたい病気もいくつかあります。次で詳しく紹介しますね。

イギリスで気をつけたい病気7つ

気をつけたい病気として、

  • ・風疹
  • ・破傷風
  • ・髄膜炎

などを7つ紹介します。

風疹

咳や鼻水などの飛沫感染から広がります。症状は発熱や発疹、リンパ節の腫れなどです。

はしか

接触や唾液による飛沫感染、空気感染から広がります。症状は発熱や咳、発疹などです。

破傷風

破傷風は世界中で流行しており、切り傷などの傷口から感染します。

症状は主に、けいれんです。開口障害など一部のけいれんから全身に移行し、重症の場合は呼吸困難になる可能性があります。

狂犬病

動物の咬み傷から感染します。そして動物に噛まれた場合、すぐにワクチンの接種が必要です。

イギリスは野良犬の数が多いわけではありませんが、狂犬病になる可能性がないとは言えません。症状は発熱や頭痛、倦怠感、知覚異常などです。

細菌性髄膜炎

1歳以下の子供を中心に発症します。

ウイルスとの接触や、母親の体内にいるときに母体から感染することがあります。

症状は発熱や頭痛、けいれん、意識障害などです。

A型肝炎

A型肝炎は、イギリスで流行しているわけではありません。しかしA型肝炎の感染確率が高い国に行った人が、国内にウイルスを持ち帰ってくることがあります。

感染経路は、ウイルスを持った飲食物の摂取です。例えば汚染された水や氷、その水で洗った野菜や果物を生で口に入れるなどです。

症状は食欲不振や腹痛、おう吐、腹痛、体の倦怠感などです。

B型肝炎

B型肝炎もイギリスで流行しているわけではありませんが、他の国からウイルスが持ち込まれることもあります。

感染は、ウイルスを持った血液や体液にふれることで引き起こされます。そのため、事故などによる医療的治療にも注意が欠かせません。

症状は食欲不振やおう吐、黄疸(眼球や皮膚が黄色くなること)の出現などです。

イギリス留学前に受けておきたい予防接種6つ

続いては、留学前に接種しておきたいワクチンとして、

・MMR
・DPT

などを6つ紹介します。

MMR

MMRでは「風疹、はしか、おたふく風邪」を予防できます。特に子供と接する可能性のある人は必要です。

費用は1万円です。

DPT

DPTでは「ジフテリア、百日咳、破傷風」を予防できます。破傷風はケガから感染するため、運動や登山、ハイキングなどのアクティビティをする人におすすめです。

費用は1万円です。

狂犬病

ハイキングなど、野生動物とふれあう機会のある人に接種をおすすめします。特に犬やきつね、コウモリのいる地域では注意してください。

費用は5万〜6万円です。

細菌性髄膜炎

子供とふれあう可能性のある人におすすめします。費用は8,000〜2万円です。

A型肝炎

ワーキングホリデーなど1年以上の滞在者向けで、費用は2万〜3万円です。

B型肝炎

ワーキングホリデーなど1年以上の滞在者向けで、費用は、1万〜2万円です。

ここまでイギリス留学に必要な予防接種を解説しました。

しかし予防接種によっては、計画的なスケジュールを立てることが欠かせません、次で詳しく解説しますね。

イギリス留学前の予防接種スケジュール

ここからはワクチン接種のスケジュールとして、

  • ・母子手帳のチェック
  • ・タイミング
  • ・接種の流れ

を紹介します。

母子手帳で予防接種の記録をチェック

多くの人が乳幼児のときに数々のワクチンを接種しており、母子手帳に接種歴が記録されています。

しかし、接種したワクチンが全員同じとは限りません。生まれた年代によって、義務付けられている予防接種が変わっているからです。

母子手帳を見て、足りないものだけワクチンを接種します

予防接種を受けるタイミング

渡航の6〜9カ月前には準備を進めましょう。

なぜならワクチンの中には、数回にわけて接種するものもあるからです。そして1〜2回目、2〜3回目にかけて間隔をあけるものもあり、想像以上に時間がかかります。

なるべく早めに予防接種を受けてください。

予防接種の流れやスケジュール

流れは以下の通りです。

1. 必要な予防接種を確認する
2. 必要なワクチンに対応しているか、病院に確認して予約をする
3. ワクチンを摂取して、証明書を発行してもらう
4. 1〜2日は運動などを控える
5. 異常がなければ予防接種が完了

追加料金は必要ですが、英文の証明書を発行してもらうと安心です。費用は1,000円ほどです

ここまで予防接種について、解説しました。続いては、イギリス留学中に病気にならないために必要なことを解説します。

イギリス留学や旅行で病気にならないために

病気の予防として、

  • ・十分な食事と睡眠
  • ・ミネラルウォーターの購入
  • ・体温調節のできる衣服

を紹介します。

食事と睡眠は十分に取る

風邪などの体調不良は、食事や睡眠が不十分なときに起こしやすいです。留学や旅行中でも、栄養バランスの取れた食事と7〜8時間の睡眠を意識してみてください。

水はミネラルウォーターを買う

イギリスの水道水は硬水であり、そのまま飲むことができます。

しかし配水管や貯水タンクによっては、衛生面で問題があることも。腹痛などを避けるためにも、ミネラルウォーターの購入をおすすめします。

体温調節のできる衣服を用意する

イギリスは日中と夜の気温差が激しいです。昼は汗ばむほど暑くても、夜には寒さを感じる日も少なくありません。

そのためカーディガンやパーカーなど、体温調節のできる服があると安心です。

イギリスに留学や旅行中、病気になったらどうする?

続いては実際に病気になったときの対処法として、

  • ・常備薬や市販薬
  • ・NHSを使った診察
  • ・海外旅行保険を活用

を紹介します。

常備薬や市販薬を飲む

イギリスでは病院を受診しても、市販薬をすすめられることが多いです。

しかし海外の薬局で、薬を探すことは簡単ではありません。体調が悪く、言葉や効果がわからないまま薬を探すことは、想像以上にハードです

風邪や腹痛などは常備薬でなおることもありますので、しばらく様子を見てみましょう。

「NHS」に加入している留学生は医療費が無料

イギリスの保険「NHS」は、国立や公立の病院を無料で受診できます。そのためまずは、国立や公立の病院を予約して、受診できるか確認してみましょう。

海外旅行保険や留学保険への加入をしておく

海外で日本の健康保険は使用できないため、全額自費です。

またイギリスはNHSの活用で医療費が無料になりますが、これはイギリス人も使う保険。多くの人が使用するため、診察に数日から数カ月の待ち時間が発生しています

そのため私立病院を受診できる海外旅行(留学)保険に加入し、サポートデスクに問い合わせる方がスムーズです。

また日本語でのサポートやキャッシュレス診療ができるため、精神的な負担を感じません。

病院に行く前に、保険会社に問い合わせましょう。

まとめ

今回はイギリス留学に必要な予防接種について解説しました。

おさらいすると、イギリス留学や旅行には特に予防接種が必要ありません

しかし細菌性髄膜炎など、流行している病気もあるため、いくつかのワクチンを接種していると安心です。

おすすめの予防接種として、以下を紹介しました。

  • ・MMR
  • ・DPT
  • ・狂犬病
  • ・細菌性髄膜炎
  • ・A型肝炎
  • ・B型肝炎

今回の記事を参考に、予防接種を検討してみてくださいね。

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    この記事を書いた人

    モリキアユミ

    1992年生まれ、京都府出身のフリーライター。大学卒業時に就職を蹴って、24カ国・50都市の世界一周を実行し、旅の途中からそのままライターへ。現在はタイと日本を行ったり来たりしています。オーストラリア留学とセブ島留学の経験あり。

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