看護師を目指してアメリカ・カンザス州に留学した理由とは 【アメリカ看護留学連載Vol.1】
はじめまして、アメリカ、カンザス州にあるヘストンカレッジ(Hesston College)で「看護留学」をしているゆうこばです。
「アメリカに留学するのでしょう?西海岸?それとも東海岸?」
私が留学をすると決めた時、友人によくこの質問をされました。
「いや、中西部にあるカンザスだよ」
そう言っても、友人は「何それー」と、全くピンとこないようでした。カンザス州はどこの海にも面していない、アメリカの中央の方にある州です。みなさんがご想像の通り、かなり田舎です(笑)。住宅街を抜ければ地平線が広がります。車からの景色は、牛か木か、と言ったところ。
これはお隣のオクラホマ州に行った時のバスからの写真ですが、カンザス州の景色もこのような感じです。
そんなところの大学に突然入学してしまった私は、東京育ちの都会っ子。しかも、日本で実家から大学に一年間通っていたものですから、周りにはどうしたのかと驚かれました。
今回は、どうして私がアメリカ・カンザス州に留学したのか、どうしてアメリカで看護を勉強したいと思ったのか、アメリカの看護事情などについてお話ししたいと思います。
なお、アメリカ留学についての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
アメリカ留学
アメリカ留学を決意するまで
私は1997年生まれの現在20歳。アメリカへ行くまでは日本で塾に通って志望校の大学を目指す、よくいる日本の学生でした。小学6年生の時から予備校に通い続け、なんとか現役で有名私立大学の看護学部に入学。
日本の大学に通っている間は、正直あまり勉強熱心と言える状態ではなく、そもそもキャンパスが遠い上に課題や授業も多い看護学部で、さらにアルバイトや友人との遊び、たまにサークルなどと、典型的な大学生をしていました(笑)。
日本の大学生時代の様子。サークルの夏合宿で撮影。
しかし、なんとなくずっとアメリカで勉強したいと思っていたことや、講義で少し聞いたアメリカの看護事情から、アメリカで本気で勉強したいと考え始めました。
アメリカに留学について一番大きく私に影響を与えたのは、高校2年生の時の短期留学だったのかもしれません。当時まだ進路を看護学部に絞っておらず、とにかく様々なものを見たいと思い、ボストンの語学学校に通いながらHarvard大学やYale大学、マサチューセッツ工科大学など、名門大学を見学するという短期プログラムでした。
そこでアメリカの学生の雰囲気に感化され、今までなんとなく持っていた憧れがさらに強くなりました。
日本の大学を辞めて、本当に留学すべきか
その後、日本で大学の看護学部に進学し看護の授業を受けていく中で、アメリカでは看護師のあり方が日本と全く違うということを知りました。そのようにして色々考えて、このまま日本で大学に通い、アメリカの4年制大学に3年次編入ができるのではないかと思いつき、留学エージェントに相談をしに行きました。
留学エージェントでその旨を話すと、取得単位の移行が難しいことや語学力の問題から、編入は難しいのではないかと言われました。それよりも入学してしまった方がいいというのです。そこで、アメリカの大学に入学することを決意しました。
とはいえ全く迷いがなかったわけではありません。日本で既に通っていた大学を辞めてまで本当に行くべきなのか、というのがいちばんの悩みでした。辞めてしまってアメリカの大学に入学してから、思ったよりも大変だったり現地での生活が合わなかったりしてやはり日本に帰国、なんてなってしまったら、またいちから大学入試をしなければならないのです。
そこがかなり不安で、さらに短期間で決めなければならないとなるとまだ考えや情報が不十分な可能性があると思い、日本の大学を退学ではなく、休学することにしました。最終的に中途退学したのはHesston Collegeでの2セメスター目の途中でした。Hesston Collegeに通いながら約1年間考え、調べ続けて、アメリカで頑張っていきたいという考えがそれでもぶれなかったので、今後考えが変わることはないと思い退学手続きをしました。
留学エージェントに行ったのが、2017年1月末。ちょうど日本の大学で1年生後期の学期末試験を終えた直後でした。学期末試験を受けているその間はこのまま日本で大学生を続けるつもりだったのが一転、もう次の学期からその大学を休学し、8月からの留学に向けて準備をすることになりました。
なぜカンザスを留学先に選んだのか?
それにしてもなぜアメリカの数ある都市の中から、カンザスを留学先に選んだのか。日本では看護学部がある大学は限りがありますが、看護学が人気なアメリカでは多くの大学で看護学部が設置されています。ニューヨークでもカリフォルニアでもフロリダでも、どこにだってあります。東京育ちの私には、絶対的に都会の方が住みやすかったでしょう。
それでもカンザスを選んだ理由なのですが、私が今アメリカで通っている大学がどうも私の理想にぴったりだったからなのです。
私がアメリカに正規留学すると決めた時、どうしても4年制大学に初めから行きたいと決めていました。今通っているのはヘストンカレッジ(Hesston College)という私立の2年制大学なのですが、看護学部は4年間のプログラムがあり、きちんとbachelor degreeが取れるところでした。
さらにこの看護学部はプログラムが良いと評判が良く、また小規模な学校でとても手厚いので、困ったら助けてくれる風潮がある学校と聞きました。
正直ほとんど英会話なんてやったことはなく、海外生活がどんなものか全く想像つかない私にとっては、安心要素が多い大学だったのです。田舎であることも、じっくりと勉強に集中できて良いのではないかと、カンザス州の大学に決めました。
留学に備え、TOEFLの勉強
とはいえ、ヘストンカレッジにも入学基準があります。条件付き入学(ELSあり)自体はそれほどTOEFLの基準点は高くないのですが、語学の条件なし(ELSなし)で入学するためには、TOEFL ibt 61以上を取る必要がありました。
ELSとは語学学校のことです。大学の一般的な授業と同時並行で大学内にてインターナショナル生向けの語学の授業を受けるというもので、それもHesston Collegeの卒業単位の中には含まれますが、必修科目の履修がその分遅れてしまうため、卒業が遅れてしまう場合があります。
条件付きで入学した生徒は、このELSの受講が義務付けられます。私は日本で1年間大学生をしていたために一般的な年齢より1年遅れていることや、長く滞在してしまうとそれだけお金がかかること、就職時期が遅れること、そして何より早く本格的な勉強を始めたい、という思いから、絶対にELSなしで入学したいと考えました。
しかし当時私はTOEFLを受験したことがなく、英検も中学生の時に準2級を取得したのみで、一から勉強の状態でした。
せめてもの救いは、長年受験勉強をしていたことや、たまに好きでTED TALKを見ていたことくらい。でもそのおかげでかなり助かりました。1年間日本で大学生をしていた間、英語なんてほとんど触れておらず不安でしたが、私のお世話になっていたエージェントの模擬試験の点数を入学審査で提出できるということで受験してみたら合格点が出たので、それを提出しました。
これだけだとなんだか全く勉強していないようですが、その後は週3日予備校に通ってTOEFL対策、普段も引き続きTED TALKを英語字幕をつけて見るなど英語の勉強に集中。入学前の7月にTOEFLを初めて受験したところ、ついに63点を取得しました。
カフェで勉強していた時の写真。アルバイトの前に時間が作れたため、カフェに入って勉強していました。
受験勉強をしてきた人にとっては、きっとリーディングやライティングは60点前後程度を取るのはさほど難しくはないかもしれません。しかし問題はリスニングやスピーキング。これに関しては、普段から動画を英語字幕をつけて見たのが最も効果的だったように感じます。
アメリカの看護学部の特徴とは
看護学部というと、解剖学の授業や実習など、専門的な授業が多いイメージだと思います。
日本はそうです。私が日本の大学にいた頃は、最初から講義名に「看護」という単語が入っているものがあるし、1年生後期にはすでに病院実習もありました。
一方アメリカでは、1、2年生の間は一般教養がメインです。実習なんて1度もありません。看護学生だけが集められる授業は無く、数学や化学、心理学などの授業を他の学部の人たちと一緒に受けます。解剖学の授業もありますが、看護学生向けの授業ではなく、たくさんの他の専攻の学生も一緒に受講します。
そのため、正直今やっと1年生が終わった段階の私にとって、まだ看護学部であることを実感した経験はないのですが、一般教養から丁寧に勉強してみて思うこととしては、アメリカでは看護学を日本よりも学問的に捉えているからこのように下から積み上げていくように勉強しているのではないでしょうか。
広い視野が必要な看護師という職業に着く上で、他の専攻の学生と同じように授業を受けて勉強できるのはとても大切だと実感しています。
日本の大学を中退してアメリカに留学することについて
アメリカの大学に行く上で一番悩んだことは、やはり日本の大学を辞めることでした。簡単に入った大学ではなかった分、本当にやめていいのかという葛藤はずっとありました。だから、ヘストンカレッジに入学後もすぐには日本の大学に退学届は出さず、しばらくの間休学扱いにしていました。
それでも最終的に日本は退学し、アメリカで最後までやり遂げると決めたのは、アメリカで勉強していることがとても有意義に感じられたし、私にとっては手に入れたいものが多くあるのが日本よりもアメリカだと感じているからです。
これに関しては、人それぞれ違うと思います。私はアメリカに来てからの方が日本で大学生をしていた時より「いまやるべき事」を常に意識しています。アメリカには選択肢がたくさんある分、自分が一生懸命にならないと自分にとって一番の選択肢にたどり着けないこともあります。
でも、だからこそ、頑張れば頑張るほど、探せば探すほど、いいものを見つけられる場所だと思います。
もし、今いる環境を脱してアメリカに留学しようか迷っている人がいたら、あなたが今一番多くのものを得られる選択を取ることをおすすめします。もしもそれでアメリカに行くべきだと思い、一歩踏み出すことができたのなら、これからワクワクするような新しい出会いがもっとたくさんあり、気づいたら自分でもびっくりするくらい自分が成長しているかもしれません。
あなたはどのステップにいる?語学留学実現までの流れ
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
- ステップ1:目星をつける
- ステップ2:相談する
- ステップ3:申し込む
- ステップ4:渡航準備
- ステップ5:出発!
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
考えることが多い留学準備には、プロの伴走者を
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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