英語だけでなく非常に多くのことを学べた留学

今回の留学を通し英語の実力の向上は勿論、人間的にも成長できたと感じる。理由としては二つある。一つは他国の人々に対する価値観が劇的に変わったことであり、もう一つは自分の将来設計の視野が広がったことだ。
前者については、簡潔にのべると偏見が解消されたということだ。GSに留学する前は、韓国や中国に対し、メディアの報道や、大学で学んだ、それらの国々に対し必ずしも好意的印象を抱けるとはいえないような情報の影響により、少なからず偏見を持っていた。しかし彼らと交流していくなかで、自分の価値観は変わっていった。彼らはとても友好的で、親切であった。国籍だとかお国柄なんてそんなものなのだな、と僕は実感した。謙虚と思われがちの日本人にも目立ちたがり屋はいくらでもいるし、常に他人のことを思いやってくれる中国人、韓国人も大勢いる。アメリカンジョーク嫌いなアメリカ人もたくさんいるかもしれない。要するに、何万何億といる何々人を、ひとつのステレオタイプでくくることなど不可能だということだ。日本に帰り、ツイッターを開いた。韓国人、と検索をかけると何十というヘイトスピーチがヒットした。実に悲しいことだと思う。彼らのうちのほとんどは恐らく韓国人と実際に話したこともなく、偏見に基づいて歪んだ考えを発信しているのだろう。嘆かわしいことだが、ほんの数ヵ月前までそれを見てもなんとも思わなかった自分がいたことに寒気が走った。対話、これが異文化を理解する上で不可欠だと思う。その事に気づかされた一ヶ月であった。
後者、すなわち自分の将来設計の幅が広がったことについて。GSには、そこを卒業後オーストラリアやカナダにワーキングホリデーや留学するために向かうという生徒が大勢いた。彼らのなかには、大学を休学したり、脱サラしてそこへ向かったりという人も多くいた。僕にはそんな考えは微塵もなかった。周囲にはフツーじゃない人生おくりたいよね、などと戯言を抜かしつつも、四年で大学を卒業し、企業に就職し、いつか辞めて自分の夢を目指そう、という「フツー」の人生を送ることに何ら抵抗を抱いていなかった。彼らは違った。一度しかない人生を最大限に活かすべく、固定観念を打ち破ることをいとわなかった。衝撃を受けた、といっても過言ではない。今、僕はオーストラリアへのワーキングホリデーを本気で考えている。大学を休学することもなんとも思わない。一ヶ月前は考えもしなかったことだ。彼らのお陰だ。
自分のことばかり書いてしまった。英語のことも書くべきであろう。結論からいうと、語学学習を志す日本人にとってここの環境は最高であると言えよう。非常に少ない日本人生徒数、最低六時間ある完全に英語のみの授業、上級者から初級者まで網羅したレベル分けシステム。僕自身、この一ヶ月で英会話力は飛躍的に向上したと感じている。
最後に、僕に素晴らしい一ヶ月間を送らせてくださったGSのスタッフの皆様、先生方、愉快な友人たちに、最高の敬意と感謝をもって、お礼を申し上げます。短い間ではございましたが、本当にありがとうございました。