留学生でもアルバイトができる!?アメリカの「Campus Job」制度とは 【アメリカ看護留学連載Vol.4】
こんにちは、アメリカのHesston Collegeに看護留学していたゆうこばです。現在は別大学への編入準備のため、日本に一時帰国中です。
留学する上で気になることの一つは、現地でアルバイトができるのかどうか。ご存知の方も多いと思いますが、一般にアメリカでは学生ビザで滞在している留学生がアルバイトをすることは禁じられています。
ですがアルバイトって大学生のうちに経験しておきたい重要なことのひとつですよね。社会勉強になるし、ただでさえ学費が高いアメリカ留学生活でお小遣い稼ぎもしたいものです。
しかし、ご安心ください。留学生でもアルバイトができる方法があるのです。今回の記事では、そんな留学生でもアルバイトができる制度「Campus Job」について、基本的なことから仕事内容まで、詳しくお話したいと思います。
なお、アメリカ留学のビザ詳細については下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
アメリカ留学にビザは必要?ビザの種類から申請方法までを解説
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Campus Jobとは?
Campus Jobは留学生でもアルバイトができる方法です。基本的には、大学キャンパス内にある、大学が指定した施設内でのアルバイトとなります。
アメリカではキャンパス外でのアルバイトは禁止ですが、キャンパス内であれば留学生がアルバイトをすることが許されています。そのため、キャンパス内のスタッフさんの多くが留学生なのです。
Campus Jobには様々な職種があります。
・カフェテリア内の業務
・教授のサポート
・清掃員
・カメラマン
・新入生の入寮手伝い
・チューター
・チェッカー
・オフィス業務 など……
まだまだたくさんのCampus Jobがあります。私はチューターとチェッカーのCampus Jobを経験しました。それぞれどんな仕事か説明します。
個別に留学生をサポートする「チューター」業務
チューターは一度に生徒を1〜2名程度持ち、授業外に一定時間で個別指導をする業務です。個別指導の頻度は生徒によってまちまちであり、週1回の場合もあれば、週に2〜3回の場合もあります。基本的に1回につき1時間程度対応を行いますが、生徒次第ではすぐに終わったり、逆に長引く場合もあります。
仕事内容は、宿題のサポートやテスト対策のサポート、授業内容の予習復習サポートなどがありますが、それは生徒のニーズによってチューターが対応するので、受け持つ生徒ごとに指導内容は異なります。
チューターになるには教授の信頼が必要
それでは、具体的にどのような手順でチューターになれるのでしょうか。
他の仕事の場合は通常ウェブサイトから応募するのですが、チューターの仕事は基本的に教授に推薦される必要があります。チューターなるくらいなのですから、その教科について教授からの信頼され、教授から直接頼まれることがチューターになる最もメジャーな方法です。
チューターは全ての生徒につくわけではなく、チューターを要請してきた生徒にのみつきます。チューターをつけたい生徒はオフィスに出向き、例えば「この教科のチューターが欲しいです」という風にチューター要請をします。そして書類に、チューターにサポートしてもらいたいこと、個別指導の頻度、自身のスケジュールなどを書いて提出します。
それを元にオフィスのスタッフさんが教授に「チューター要請がきているが、チューターを推薦してください」という風に伝え、推薦された生徒がチューターを引き受けた場合に、やっとチューターが成立します。
友人から推薦されるパターンも
しかし私の場合は、これとは少し違った方法でチューターになりました。私はAlgebra(代数学)のチューターをしていたのですが、通常はその授業を自分が受講している同時期にチューターをするのに対し、私はその授業を取り終えた後のセメスターでチューターをしていました。
というのも、Algebraを受講している間に、これは私にとって超得意科目だと自覚しました。私自身英語力にさほど自信がない上に他人に教えるなんて…と思っていたのですが、Algebra受講中にこれならチューターができるかも、と思い始めました。
ちょうどその頃、次のセメスターにAlgebraを受講する友人が数名いたので、「もしよければその時チューターやるよ」と言ったところ、数学苦手だから、と喜んで受け入れてくれました。
ということで友人がチューター要請の際に「ゆうこばにチューターを頼みたい」と言ってもらい、私自身数学の成績をしっかり取っていたこともあり教授の推薦もすんなりおり、チューターになることができたというわけです。結局私は合計3名の生徒のチューターをしました。
3人も受け持っていたため、週に何度も個別指導の時間を取らなければならず、楽ではありませんでした。しかし自分が教えたことで理解してくれたり、点数が上がるのを見守れたりするのはとても嬉しく楽しかったです。
よくチューターをしていた図書館の個室
カフェテリア内で受付をする「チェッカー」業務
チェッカーとはカフェテリアの受付業務です。そもそも私が通っていた大学のカフェテリアでは、ミールプラン(学食の定期利用制度)に加入している生徒であれば、学生証をタップすればその場で金銭のやり取りをすることなく、スムーズに食事ができる仕組みになっています。
ですので基本的にはカフェテリア入り口のレジカウンターの前に座り、生徒が学生証をタップしたことを確認したら、都度コンピュータの確認ボタンをクリックする、というのが仕事内容です。
しかし例えば学生証を忘れたもしくは無くした生徒は、メモ用紙に名前を書き、それを見てチェッカーの私はコンピュータでその生徒の名前を検索し、ミールプラン1回利用として登録します。
また、生徒の家族が大学を訪問してきた際などは、その場で現金のやりとりをします。人数分のお金を受け取り、必要があればお釣りを渡すという、一般的なレジ業務です。
勤務は昼食と夕食時
1回の勤務時間は昼食の場合と夕食の場合、また休日の場合で異なります。カフェテリアで食事が提供される間は、仕事をし続けます。
例えば、平日の昼食の場合は11:30から12:45まで、平日の夕食の場合は17:30から18:30まで働きます。
最低限英語のやりとりはできる必要
仕事内容自体は難しくありませんが、お金のやりとりがあるため最低限英語でやりとりができなければなりません。英語がそこまで得意でない私でもこの仕事が問題なくできていたのは、聞き取れなかったときにすぐに聞くようにしたからです。
特に英語を話して金銭のやり取りをするのはゲストが来た場合です。お金のやりとりを間違えるくらいなら、とお客さんにも追加質問をたくさんしてしまいましたが、優しい方ばかりで、むしろついでに世間話ができたりもしました。
チェッカーをやって良かったこと
チェッカーをやって良かった点は、生徒の顔や名前を覚えることができたことや、ドルを使い慣れたことです。
生徒を覚えることができた点に関しては、全生徒がカフェテリアを利用するため、この仕事を通して顔見知りが増えたのです。
ドルを使い慣れたことに関しては、もともと田舎の大学のため外で買い物をする機会が少なく、買い物をしたとしてもクレジットカードで払ってしまうことが多く、現金の使い方には慣れていなかったのです。
この仕事を通して現金をたくさん触るようになり、現金の使い方も覚えることができたのは、アメリカ留学をしている上で収穫になりました。
どうやってCampus Jobの仕事を始めるの?
仕事の募集はチューターの項目でも軽く触れましたが、基本的に学校のウェブサイトから探すことができます。募集中のキャンパスジョブの中から自分が興味あるキャンパスジョブにweb応募し、その後に面接日程のメールが届きます。
面接は私の場合は特に志望理由などを聞かれることもなく、授業スケジュールやどのくらいの頻度・時間で働けるかの確認のみで、ちょうど日程があったためチェッカー採用という感じでした。
その他にも、チューターのように教授などの推薦を受けてできるCampus Jobも中にはあります。
ちなみに最初の仕事の時はかなり丁寧に教えてくれました。日本でのアルバイトのようにまだよくわかっていないのにお客様対応に手一杯でなかなか仕事を教えてもらえない、といったこともなく、しっかり責任感を持って、時間厳守で仕事をしていれば必要以上に緊張することもないので安心でした。
Campus Jobのルール・条件
Campus Jobを始めるには、まず仕事が決まってから「SSN」を取得する必要があります。SSNとはSocial Security Numberの略で、この番号によって職歴が管理されています。
なかなか留学生はSSNを取得できないのですが、Campus Jobをすることで簡単に取得できます。
申請方法は、パスポートその他の書類を持参してソーシャルセキュリティーオフィスに行き、窓口で申請します。私が留学していたHesston Collegeでは、頼んだらインターナショナル担当の先生が一緒に行って書類の書き込みや申請を手伝ってくれたのでスムーズに申請できました。
申請したSSC(Social Security Card; SSNが記載されているカード)は申請後10日程度で郵送されてきます。
また、Campus Jobをしていく上でも以下4つのルールがあります。
1. 有効なF-1ビザ(学生ビザ)を持っていること
2. 労働時間は、学期中は週に20時間以内であること
3. 休みの間は、次の学期も在籍が決まっていればフルタイム勤務が可能である
4. 雇用主はアメリカ住人から仕事を奪ってはいけない
参考:internationalstudent.com
私たちが働く際に気をつけることは、労働時間が週に20時間を超過しないようにすることです。ルール違反をしないように気をつけて勤務しましょう。
気になるCampus Jobでの時給は?
1ヶ月の給与明細
Hesston CollegeのCampus Jobの時給は、職種に関わらず一律$7.25で、日本円で800円程度。1ヶ月でチェッカーで$175、チューターで$45の合計$220(※ 約24,700円)ほど。
※ 金額は2018/10/17現在 1ドル = 112.27円
東京では時給1000円を超えるアルバイトが簡単に見つかることを考えると、お金稼ぎを目的としてCampus Jobをし続けるのは辛い部分があります。とはいえ実際カンザスでの生活であまりお金を使わないので、お小遣いには十分ではありますが。
ちなみにお給料の受け取りは、毎月自分の私書箱に投函されている給与明細をビジネスオフィスに持参すると、その分のお給料を現金で支払ってもらうことができます。
ですので、特に口座開設はCampus Jobのために必要ということはありません。私は無駄遣い防止のため数ヶ月間受け取らずに貯めておき、学期末にまとめて受け取りに行きました。
やりがいと経験、そして自信
勉強や部活動が忙しい中で、Campus Jobをやる必要があるのかどうか。もちろんこれは、人それぞれ考え方が分かれると思います。勉強やスポーツ、音楽をしにきているのだから、Campus Jobに時間は割きたくない方もたくさんいるかと思います。
私がCampus Jobを積極的にしていたのは、お金を稼ぐためだけではありません。私がCampus Jobに求めていたもの、それはアメリカ留学でしかできない経験です。
アメリカでキャンパス内とはいえ、現地で働くという経験をして責任を持って勉強を教えたり、仕事として人と接したりお金を触ったりできたことで、また違った目線でアメリカを見ることができました。そしてそれをやり遂げたことで、何より少し自信がつきました。
だって、アメリカで仕事したんですよ?
日本では当たり前に触るキャッシャーも、アメリカで触るとその事実だけで少し嬉しかったのです。
それだけじゃありません。チューターで生徒を持って勉強を教えて成績をあげてくれた時。チェッカー中多くの生徒に「Hi!」と声をかけてもらえた時や、お釣りを渡した後に「Thank you!」と言ってもらえた時。
そんな些細な瞬間に、たくさんのやりがいと嬉しいを得ることができます。そしてそれが全て自信につながります。
Campus Jobを通じてとっても貴重な経験ができたことに、本当に感謝です。
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