英語メールの件名は正しく付けよう!用途別にコツとポイントを紹介します

ビジネスメールでの件名は、本文の用件を簡潔に伝えることや、返信のタイミングを図る目安として重要な役割を果たしています。そのため、件名を適切に書くこともメール作成のポイントといえます。

しかし、用件が件名をぱっと見ただけで想像できるような件名をどのように書けばよいのか分からない人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、英語メール初心者の方でもすぐ使えるように、上手に件名を表現するコツや、件名を書く際に使える表現をまとめてみました。英語メール作成の際にここでご紹介する表現をぜひ使ってみてください。

なお、件名以外の英語でのメールの書き方は、下の記事でまとまっているので、気になる方はあわせて参考にしてみてください。
【例文付き】これで完璧!誰でもできる英語メールの書き方とポイント

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【英語メール】件名の役割とは?

まず基本に立ち返って、件名の役割についておさらいしてみましょう。

ビジネスメールの件名は、用件を簡潔に伝え相手にしてほしいことを伝えること、返信のタイミングを伝えることなどが主な役割です。メールの件名を見ただけで「開封しなくてよい」と判断されることもあるくらい、件名は重要な役割を果たしています。

例えば、「要確認」「要返信」などの日本語の件名を見ると、早くメールの内容を確認したり返信したりしなければならないと理解できますよね。英語のメールの場合も、件名の役割は同じです。

英語メールで件名を付ける時のポイントは3つ

メールに件名を付ける際のポイントは、大きく3つあります。それは、必要な情報を簡潔に伝えること、すべて大文字で書かないこと、そして固定単語・フレーズを使うことです。以下で詳しく見てみましょう。

件名には必要な情報を簡潔に

メールの件名の単語数は6〜8語ほどが適当と言われています。短くなりすぎてしまうとスパムメールと間違われてしまうこともあるので、伝えたい情報を簡潔に6~8語で表現するようにしましょう。

また、重要な情報を前に持ってくることも、簡潔に必要な情報を伝えるコツです。

次のように2つの件名を比較したとき、わかりやすいのは返信の期限という重要な情報を前に持ってきた(1) のほうです。

(1)Please Reply by 3 November: on Next Meeting
「要返信11月3日まで:次回会議について」

(2)On Next Meeting: Please Reply by 3 November
「次回会議について:要返信11月3日まで」

メールを受け取った方も、こちらのタイトルのほうが忘れずに返信しやすいと思われます。

なお、件名で伝えた内容とまったく同じ内容を本文で繰り返し伝えることは不要なので避けましょう。

件名はすべて大文字で書かない

英文メールでの件名は、各単語を大文字から始めることが一般的な作法とされています。

ところが、強調表現をするつもりですべて大文字で件名を書いてしまうと、スパムメールと勘違いされてしまうので気をつけましょう。

特に接続詞・冠詞・前置詞は、文頭に置く以外は件名の中にあっても小文字で記載するべきものです。このことから、スパムの判別にも使われてしまうことを知っておきましょう。

また、感嘆詞「!」を使うのもできるだけ避けた方がベターと言われています。これは相手にプレッシャーを与えてしまうような表現と考えられるからです。

このように、すべて大文字で書くこと、「!」を必要もないのに使うこと、強調表現を極端にしないことが上手な件名をつけるコツです。

固定フレーズ・単語を活用する

"Reminder", "FYI", "Urgent"など、件名の冒頭に固定フレーズや単語を使うと、相手方に用件を端的に伝えることができます。

件名の最初に使える固定フレーズ・単語には次のようなものがあります。

(1)Reminderまたは Gentle(Friendly) Reminder
文字通り、リマインダー目的で使います。返信期限までに余裕がある場合、緊急性・重要性が高くない場合などは、Gentle・Friendly を使ったほうがより適切です。

(2)FYI
For your informationの略です。単なる情報共有目的であることや、転送であることを示すのに、メールの件名の冒頭につけます。

ただし、転送をするときに件名に自動表示されるFW(Forward の略)に重ねる必要はありません。FYIまたはFWどちらか1つにしておきましょう。

(3)Important
「重要」を意味します。重要な業務上のルールの変更を知らせる、関係者に会議への出席を促すなど、様々な場面で使えます。

ただし、これも多用しすぎると、かえって軽視されてしまうことがあります。ここぞの時の表現の一つです。

(4)Urgent
「緊急・至急」を示す表現です。Urgentもここぞの時に使う表現の一つ。そうでないと、読み手に不要なプレッシャーを与えてしまいます。

(5)RSVP
フランス語の"Répondez s'il vous plaît." (返信をお願いします)の略で、招待状に使われます。メールでも、イベント・会議などの出欠確認の際の件名の冒頭に使います。

(6)Please Respond
日本語の「要返信」と同様の意味を持つ英語表現です。広く返信をリクエストする際に使われます。

(7)Please Confirm
日本語の「要確認」と同様の意味を持つ英語表現です。返信は必ずしも必要ありませんが、内容を確認してほしい時に使う表現です。

(8)Action RequiredまたはAction Requested
日本語の「要対応」に対応する英語表現です。届出・承認などの社内手続きを行わなければならない場合などに使います。場合によってはアクションが必要になるときにも使うことができます。

なお、Requiredは対応必須の意味があり、Requested は協力を求む、の意味がありますが、一般的には必須のものでも実際にはRequestedのほうで送信されています。

(9)Notification
「通知」を示す表現です。社内ルール改定などの通知・契約上定められた事項の通知など、比較的重要な用件のお知らせの際に使われます。

(10)(Strictly)Confidential
「機密情報(Confidential)」です。Strictly が着くときには、「秘密厳守」となります。これらのメールには、社内ルールによって転送が禁止される・通常より強い暗号化が施されている、などの取り扱いが決められている場合もあります。

スパムメールと勘違いされやすい単語・フレーズ

英文メールの件名に使われる単語・フレーズには、使ってしまうとスパムに判定されやすくなるものがあります。特に件名に以下の単語やフレーズだけを使ってしまうと、スパムに判定される確率が高くなってしまいます。

大事な用件でも、スパム判定されてしまうと開封されなくなりますので、以下のような単語やフレーズは避けておきましょう。

・free(無料)
・special(特別)
・help(助けて)
・hello(ハロー) 
・your document(あなたの書類)

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英語メールで避けるべき件名例

英語メール作成で「失敗した」と思う経験はよくあるものです。特に英語メールの件名には典型的な失敗パターンがありますので、あらかじめ把握しておきましょう。次のような件名は避けてくださいね。

一言だけ、または極端に短い件名

一言だけのメールや極端に短い件名では、スパムに判定されてしまうことがあります。それだけでなく、一言だけや極端に短い件名だと、何をしてほしいのか相手に伝えることができません

長すぎる件名

一方、件名が長すぎても問題があります。相手に用件が伝わらなかったり、文字がすべて表示されずに途切れてしまったりすることもあります。必ず6~8単語に収めるようにしましょう。

Re:Re:Re…などと、返信を示す接頭辞がいくつも重なるのも避けたほうが良いです。Re:を1つのみにするよう削除するようにすると、すっきりわかりやすい件名にすることができます。

相手にどのようなアクションをとって欲しいのかが不明瞭な件名

初心者の場合、不明瞭な件名を書いてしまうこともあるでしょう。私も同僚との会話中、「そういえば、あなたからのさっきのメールは、どうすればいいのかしら」と聞かれてしまい、恥ずかしい思いをしたことがあります。

先述したした定型句を件名冒頭に使うと、相手はとるべきアクションが分かりやすくなります。 例えば、"Please respond(要返信)"、 "Please Confirm(要確認)"というように、件名の冒頭に相手がするべきことを書きましょう。

メール本文を開けないと内容がわからない件名

メールの本文を見ないとわからない件名は、開封されない可能性もあります。

件名から内容を知ってもらうためのポイントとして、次の2点をまず自分で明確にしてから書くようにしましょう。

(1)メールの用件をごく簡単にまとめると、キーワード/キーフレーズとなるのは何か
(2)相手に何をしてほしい/何を伝えたいのか

<例>
Please Confirm: on Preparation of Sales Monthly Meeting
(要確認:月次営業会議の準備について)

上記の場合、"Preparation of Sales Monthly Meeting"が(1)にあたり、"Please Confirm"が(2)となります。この2点がしっかり入ると、表現を多少変えても、件名から内容は確実に伝わりますよ。

本文の内容と矛盾がある件名

件名と本文の内容がマッチしていない場合は、件名を修正して、矛盾や齟齬がないようにしておく必要があります。

Please respondとあるので返信しようとしたところ、本文に「~部の方は返信不要です」といった説明が書かれており、わかりにくくなってしまったなどという例があります。

この場合なら、"Please respond (if applicable)"、つまり「要返信(必要な場合)」などとしておけば、件名と本文に矛盾はなく、一部の人が返信すべきだと伝わるでしょう。

具体性のない件名

具体性のない件名は、とるべきアクションも、内容も分かりにくくしてしまうので避けましょう。

例えば、"Sharing on meeting(会議についての情報共有)" だけだと、どの会議を指しているのか分かりません。" Sharing on sales meeting (6 July)"、つまり「6月6日営業会議についての情報共有」と書けば、特定のミーティングについての情報共有であることがわかります。

【用途別】英語メールの件名で使えるフレーズ

英語のメールの件名で使えるフレーズをパターン・シチュエーションごとにご紹介します。例文の表現はそのまま、あるいは少々のアレンジをつけて件名に使うことができますので、ぜひ利用してください。

確認・問い合わせをする

予約の確認や商品についての問い合わせなどで使う件名です。

<例>
Confirmation: Order on 20 December 2022
「確認: 2022年12月22日の注文」

Inquiry about the Product No.1333
「商品番号1333についての問い合わせ」

依頼・請求をする

ビジネスでは、依頼や請求のメールを送ることもよくありますよね。請求、注文あるいは依頼などをするときの件名には下記のようなものがあります。

<例>
Request for the Application Form
「申請書送付依頼」

Requesting an E-catalog of Office Furniture
「オフィス家具カタログ請求」

Order for Meals and Drinks for Luncheon
「ランチ会の飲食物注文」 

お知らせをする

お知らせ・通知をする際には、次のような件名の表現があります。

<例>
Notification of New Rules on Travel Expenses
「旅費新規則の通知」

About Reservation of Meeting Room on the System
「システム上の会議室予約について」

Reminder:Please Submit Your Timesheet Today
「リマインダー:勤怠シートを本日提出してください」

Update on the Planned System Maintenance
「システムメンテナンスについての続報」

情報共有をする

ビジネスにおいて情報共有をすることはよくあること。メールの件名では情報共有であり、特段のアクションを求めているわけではないことを明確にすることがポイントです。次のような表現を使います。

<例>
Information regarding Operation Manual (Accouting Div.)
「(経理部)業務マニュアルについての情報共有」

Sharing:Reference List on Marketing
「情報共有:マーケティング参考資料リスト」

Thought You Might Like This: New Catalog of our Product
「ご参考まで:商品新カタログ」

招待する

イベントや、行事に招待する際の件名の表現は次の通りです。場所や日時を入れると具体的でわかりやすくなります。

<例>
Invitation to the Exhibition: Makuhari, 5 December 2023
「展示会へのご招待 2023年12月5日幕張にて」

Our Invitation to You: Year End Party
「年度末パーティへのご招待」

お礼をする

お礼のメールもビジネスでは頻繁に送りますよね。その際は、Thank you から始まる表現が簡単でしかもわかりやすいです。

<例>
Thank You So Much for Your Time
「お時間をありがとうございました」

Gratitude for the Interview
「面接御礼」

謝罪・お詫びをする

不手際・不具合等について、謝罪やお詫びをする際の件名は次の通りです。Sincere を付けると、より丁寧にお詫びするべき事態の表現として使うことができます。

<例>
Apology for the Delay on Delivery
「配達遅延についてのお詫び」

Sincere Apologies for the Deficit of the Product
「商品の不具合について深くお詫びします」

お祝いをする

お祝いをする際には、"Congratulations on~(おめでとうございます)"が標準的な件名で使える表現です。同僚・知人との間では、"Congrats" もよく使われます。

<例>
Congratulations on the Opening of the Office
「新オフィスオープンおめでとうございます」

Congrats on the Best Sales Award
「ベストセールス賞受賞おめでとうございます」

まとめ

英語メールの件名には、用件を簡潔に伝え、相手にしてほしいことを伝える役割・返信のタイミングを伝える役割などの重要な役割があります。

失敗しないためのポイントは、見ただけでも内容が分かり、適切なアクションを相手方に取らせることができる件名を書くこと。適切な件名は6~8語でまとめ、件名に使える固定フレーズや単語を積極的に使いましょう

ここで紹介した表現を使ったり、アレンジしながら、ご自身でもコツをつかめるようにしてください。

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    この記事を書いた人

    NANDAROU

    コンサルタント・産業翻訳者・ライター。大学院修了後、金融機関・米系IT企業・税理士法人を経てフリーランスに。子供の語学短期留学に同伴して初めてセブを訪問、2度目のセブ行きでそのまま住み着く。TOEIC930点、最近オンライン受験したEF SETでは、CFERレベルC2にあたる80点をマーク。食べ歩きが趣味。休みになるとおいしいもの探しに余念がない。

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