オペア留学とは?人気の国とメリット・デメリットを解説
- 2020/03/19
オペア留学は、言語を学ぶことや伝えることを目的とし、現地の家庭に住み込みで育児や家事を手伝う代わりに、住居費や食費などのサポートを受けられる主に若者を対象にした制度です。
そのため、「費用を抑えて留学したい!」「現地の人と一緒に暮らしたい。」「ベビーシッターに興味がある。」という人におすすめですよ。
私自身も、オーストラリアでオペアをした経験があります。今回は、その経験も踏まえて以下のことを紹介します。
・オペア留学とは
・オペア留学のメリット・デメリット
・オペア留学で人気の国
オペア留学をすると、その国の文化や生活を知ることができ、より深い留学体験ができるはずです。
[目次]
オペア留学とは
オペア留学とは、文化交流や言語を学ぶことを目的とし、現地の家庭に住み込みで育児や家事を手伝う代わりに居住費や食費などのサポートが受けられます。滞在費や食費を負担してもらえるので、お金がなくても留学することができるんです。
また、家事や育児を手伝うことで家族から報酬が貰えます。
一般的にオペアの稼働は、1日約8時間、週5日お手伝いをします。留学期間は、短くても6ヶ月〜1年程の長期間になることが多いです。
オペア留学の条件や年齢制限
オペア留学は誰でもできるわけではありません。大切な子どもの命を預かるので、働く条件があります。また若者を応援するプログラムとなっているため、年齢制限が設けられています。
条件は行く国やオペアを登録するエージェントによっても変わりますが、私がオペアをしたオーストラリアでは以下のような条件でした。
<オペアの条件>
・対象年齢18〜30歳
・ワーキングホリデービザ、学生ビザの取得
・犯罪歴がない
・日常英会話レベルの英語力
<あると歓迎される条件>
・運転免許
・保育経験
保育士として、働いた経験がある人や保育士の専門学校へ行っている人は子供の世話をすることに抵抗がなく、知識もあるので受け入れ先を見つけやすくなります。保育経験がまったくない状態だと、家族が見つかるまで時間がかかるかもしれません。
あると歓迎される条件に、運転免許証とありますが、海外は子どもの送迎などに車が必須な場合もあります。しかし、これらの条件が揃っていなくても、オペアのファミリーが見つかることも十分にありえます。どれくらいのレベルを求めているのかはファミリー次第なので、私は車の免許がなくても無事ファミリーが見つかりました。
オペア留学の1日の流れ
オペア留学では実際にどんなことをするのか気になりますよね。ここでは、私がオペアをしていた頃の1日の過ごし方を紹介します。
<1日の流れ>
8:00 | 起床 |
---|---|
8:00〜9:00 | 身支度・朝食 |
9:00~12:00 | 洗濯・掃除 |
12:00~16:00 | フリータイム |
16:00~18:00 | 子どもと遊ぶ・ご飯の支度 |
18:00~19:00 | 家族と食事 |
20:00~20:30 | 子どもに本を読み寝かしつける |
20:30~ | フリータイム |
掃除・洗濯・夕食と家事全般を手伝い、難しいことは特にないです。
家事のやるべきことは日によって変わるので、親御さんから今日やってほしいことのメモを渡されたり直接聞いていました。子どもが保育園にいっているときは親御さんもお仕事なので、その日にやることを終えたら自由時間です。自由時間にはよく教会で行われていた無料の英語のレッスンに参加したり、仕事探しのためレジュメを配りに行き過ごしました。
そして、夕方には家に戻り、子どもと遊んだり、夕食の支度をしたりします。
土日は基本的に休みで自由なのですが、家にいると子どもが遊びに誘ってくるので、休んだ気にならず外へ出掛けるようにしていました。自分の時間も大切にしながら生活するのが良いと思います。
オペア留学のメリット
オペア留学では、現地の人々と生活することで語学力が向上することや、費用を抑えて生活できるなどたくさんのメリットがあります。
(1)費用が抑えられて安く生活できる
まずオペア留学の最大の魅力は費用を抑えて安く生活ができることです。現地でかかる生活費・滞在費・食費などは全てファミリーが負担してくれるのでお金がかかりません。
(2)語学力が向上する
家族との会話は全て英語なので最初は戸惑うかもしれませんが、語学力は上がります。私が最初オペアをした時は、日常英会話もあまり通じないほどの英語力で苦労をしましたが、オペアの後は英語が自然と耳に入ってくるようになっていました。オペアは語学を学ぶ環境としても最適です。
(3)現地にいる人のリアルな生活を知れる
オペアでは現地にいる人と一緒に暮らすので、リアルな文化や生活スタイルを知ることができます。
私はオーストラリアでシングルマザーのお手伝いをして、2歳児の子どものお世話をしていました。海外で流行りのアニメ『Peppa Pig』を一緒に見たり、食事を作るのを手伝ったりとリアルな生活を知ることができたのはいい経験でした。
(4)保育関係の仕事に活きる経験になる
オペアでの仕事内容は、育児の手伝いをすることがメインなので、日本で保育経験のある人や海外で保育士を目指したい人にとってはとてもいい経験になります。日本の保育資格は海外では残念ながら通用せず、新しく資格を取らないといけませんが、オペア留学をすることで現地での働き方も知ることができます。
私自身日本では、保育士をしていましたが、海外の保育園や幼稚園にも興味があり実際にオペアをして、日本とオーストラリアの教育の違いを知ることができたのは、今後の保育にも活かせるような貴重な経験でした。
(5)収入を得られる
オペアは基本的に週40時間前後の労働で報酬がもらえます。基本的には週にAUD150〜200(11,250円〜15,000円)程お小遣いがもらえます。金額はファミリーやエージェントによっても変わります。週末や遊びに行く日に使えるお金がもらえるのは嬉しいですよね。
オペア留学のデメリット
オペア留学は費用を抑えてできる魅力がありますが、知っておかなくては後からつらいデメリットもあります。
(1)子どもの英語を理解するのが難しい
オペアは子どものお世話をするので、英語が話せない状態だと子どもや親とコミュニケーションするのは難しいです。私は英語が少ししか話せない状態でオーストラリアの家庭に決まりました。お母さんはゆっくりとわかりやすく話してくれたので理解できたのですが、問題は子どもとの会話です。
子どもは容赦なく早口で英語を話してきます。彼女は2歳児の女の子だったのですが、英語がペラペラしかも子どもの舌っ足らずのアクセントで聞き取るのがかなり難しく、うまく意思疎通ができませんでした。人形遊びでうまく意思疎通ができなかったことから「Leave me alone!!!(一人にして!)」と怒られたときはショックでした。
その後子どもがママに「なんでMasakoは英語が話せないの?」と聞いていたときには、もうグサグサと胸に刺さりましたね(笑)。
英語ができない場合は、それなりの覚悟がいりますし、一緒に暮らすとなると言葉の壁は思っている以上に大きいです。次に私がオペアをするなら英語が話せない0〜1歳児か、逆に英語を教えてくれそうな5〜8歳がいる家庭を選びたいです。
(2)自分の時間が限られる
オペアでの生活は、家族と暮らすので自分の時間が限られます。休日も家族と一緒にいるため、オンとオフの切り替えが難しいです。自分の休憩時間でも家にいたら、子どもはそんな事情は知らずに「Let’s play!!(一緒に遊ぼう!)」と遊びに誘ってきます。そんな子どもに「今休憩中だから無理。」なんて言えず、結局休憩ができなかったり、家族との距離感を取るのが難しかったりします。
(3)家族に気を遣う
住み込みで働くことになるので家族との生活リズムが違うと気を遣います。私が困った出来事は、子どもが寝静まった後、静かにドアを開け締めしないといけないことでした。
子どもが物音で起きやすくママも神経質になっており、ほんの少しでも音を立てると、「静かに閉めて」と何度も注意されました。夜中トイレの水を流すのをやめたぐらいです。一緒に生活をするとなるとその家庭のルールを守らないといけません。
(4)家族に溶け込めるよう歩み寄る努力はいる
オペアファミリーは、留学生も受け入れに慣れてはいるものの、こちらが家族に溶け込めるように歩み寄る努力は必要です。
特に子どもは正直なので、信用してもらえないとうまくいきません。「前のオペアが良かった」なんて言われないように、仲良くなれるように積極的にコミュニケーションを取るのが必要です。
(5)勉強と手伝いの両立が難しい場合もある
1日8時間ほど働くので語学学校に行くとなると、かなりハードなスケジュールになり、勉強と手伝いの両立が難しくなります。私はワーキングホリデービザで滞在していたので、家のお手伝い以外の時間は寿司屋で働いていましたが、段々両立が難しくなり体力にも限界がきました。オペア留学は家族の手伝いが優先になるので、働く時間などを家族と相談しながら行いましょう。
オペア留学が人気の国を紹介
オペア留学をしながら、海外に住んでいる日本人や留学生は多いです。ここではオペア留学が人気の国を紹介します。
アメリカ
アメリカには政府の公認するオペアプログラムがあり、基本的には1年間の滞在で週45時間以内のチャイルドケアになります。エージェントに関係なく、週$195.75(約21,500円)の報酬がもらえるので、お小遣い稼ぎもできます。またオペア終了後は、最長30日間もアメリカ滞在が許可されます。物価が高くワーキングホリデービザがないアメリカでは、滞在費や食事、報酬が支給されるオペア留学は人気です。
ドイツ
ドイツのオペア留学では、労働時間が週25〜30時間と規定されています。1年ほどオペアをすれば、毎週の休暇とは別に有給休暇を4週間ほどもらえるので、その時にヨーロッパ旅行をしたり、一時帰国をしたりすることもできますよ。
オーストラリア
オーストラリアのオペアは基本的に平日8時間労働、週5日で週AUD150〜200(約11,000〜15,000円)です。オーストラリアはシングルマザーも多く、オペアを求めている家庭がたくさんあります。そのためたくさんのエージェントがあり、保育経験がなくてもオペアやベビーシッターができる場合もあります。
カナダ
カナダのオペアの条件は18〜30歳の男女で、英語以外にもフランス語を話せると優遇されやすいです。カナダは土地が広く、車を運転できる人の需要が高いです。例えばワーキングホリデービザで入り、3ヶ月だけオペアをして、その後に語学学校へ通うと費用も抑えられます。
オペア留学におすすめの人
オペア留学は正直向き不向きがあります。オペア留学に向いている人の特徴は以下のです。
・子どもが大好き
・日常生活の中で英語を学びたい
・現地の人と一緒に生活したい
・人助けが好きな思いやりのある人
・語学学校に毎日行かない人
・海外で保育士をしたい人
オペア留学は、親密に現地の人と交流をしたい人にはおすすめです。ホームステイとは違い、家事や育児の手伝いをするので家族と親密に関わることができます。また、子どもの世話や家事をするのが好きな人には向いています。
海外で保育士として働きたい人にとっては、オペア留学での育児経験はキャリアアップに繋がります。
オペア留学がおすすめできない人
・子どもが苦手で遊び方がわからない
・自分の時間が欲しい
・英語が話せない
・友達とも遊びたい
・語学学校にしっかりと通いたい
オペア留学をすると、どうしても家族中心の生活になり、自分のことは後回しになります。友達と遊びに行くことを止められたりはしませんが、「◯時までには帰ってご飯の支度しなきゃ。」など常に予定に追われます。そのため、伸び伸びとした留学生活を送りたい人には、オペア留学はおすすめできないです。
オペア留学をする方法
オペア留学が気になるけど、実際にどうやってオペア留学をすればいいのか気になりますよね。ここでは、オペア留学をする方法を紹介します。
自分でファミリーを探す
オペアファミリーを自分で探せば、年齢制限や条件なども関係なく家族が見つかる場合があります。自分で行きたい国と場所を決めて、facebookなどでオペアを募集している家族を見つけて直接連絡を取ります。
私の友人はこれで実際にファミリーを見つけていました。しかし、この方法は自分で条件なども交渉する英語力が必要となり、トラブルがあったときも自己責任なので、難易度はかなり高いです。
エージェントを利用する
一番メジャーな方法は、オペアのエージェントを利用することです。エージェントが家族とやり取りをしてくれるため、最初のややこしい段取りなど全てやってくれます。私はエージェントに440AUD(約3,300円)の登録料を払って、家族を紹介してもらいました。
初めてのオペアだったので、エージェントからの説明会なども事前にあり安心して始めることができましたよ。何か家族とトラブルになったときもエージェントに相談できるので、安心感もあります。初心者の方はまずは、エージェントの説明会に行き登録してみるのがおすすめです。
まとめ
本記事では、オペア留学についてご紹介しました。オペア留学をする際のポイントは以下の通りです。
オペア留学は、保育経験があったり、英語が話せたりした方が、オペアの家族を探しやすいです。年齢制限が超えた場合でも、ワーキングホリデービザなどを使いエージェントに登録すれば、オペアを紹介してもらえます。「年齢制限が超えているし保育経験がないから…」といって諦めなくても大丈夫ですよ。
私は実際にワーキングホリデーのビザでオーストラリアに行き、最初の3ヶ月間オペアをしていましたが、住む場所、ご飯も確保されていたので安心して渡航できました。
お金がないけど留学したい人、まずは英語力を身につけたい人などにはおすすめです。
そして家族と一緒に暮らすので、お互いの文化もシェアすることができ、よりいい経験にもなります。みなさんもオペア留学をぜひ楽しんでくださいね!
あなたはどのステップにいる?語学留学実現までの流れ
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
- ステップ1:目星をつける
- ステップ2:相談する
- ステップ3:申し込む
- ステップ4:渡航準備
- ステップ5:出発!
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
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