英語も美術の基礎もなかった私が海外美術大学に進学するまで イギリス美大留学体験記 #02
こんにちは、イギリス南部にある芸術大学「Arts University Bournemouth」に留学中のMimipiです!現在はイラストレーションを学んでいます。
今年3月間近のイギリスでは、結構しっかりと雪が降り始めてびっくりしました。現地の友人曰く、イギリス南部での降雪は珍しいそう。
さて、芸術留学というと、日本の美大ではなくどうして海外の美大へ留学しようと思ったのか、またどのように留学を実現したのか、気になる方も多いかと思います。
そこで今回は、海外美大進学に興味をお持ちの方に向けて、私が留学を志したきっかけと日本でどのように留学準備を進めてきたかについてご紹介していきたいと思います。
なお、イギリス留学についての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
イギリス留学
とにかく外国に憧れた幼少期
もともと私は物心ついた時から、自分は絶対に海外で勉強するとなぜか思い込んでいました。英語もできない上、海外に関する情報にたくさん触れていたわけでもないのに、今考えると本当に不思議です。
小学生の時の担任の先生がたまたま海外の大学院を修了していたのを知って、自分の夢をより身近に感じ、ますますその思い込みは過熱しました。
それと同時に子供の時から絵を描いたり物語を考えるのが大好きで、マンガを描いて地元のお祭りで勝手に配ったりしていました。知らない子に字が汚すぎて読めないと言われていましたね・・(笑)。
しかし、絵を描くことに関しては、私よりもずっと絵が上手い兄弟がいたのと、美術や文芸に関わっている身近な知り合いが周りにいなかったので、大好きな表現することを将来の仕事にしようという考えはありませんでした。
高校時代に見えた、海外で美術を学ぶという選択肢
中学校に進学したものの、学校のシステムの変化や理不尽な規則についていけず、中学3年生で不登校になり、今までひたすらに叶うと信じで疑わなかった「海外で勉強する」という目標もいつしか心の中から薄れていきました。
中学校ですらつまずいてしまった自分が、高校でうまくやっていけるとは思えず、高校は全日制ではなく通信制を選択。自分で選んだ進路に当時も今も全く引け目はなく、中学の卒業式だけは笑顔で出席しました。
通信制高校での日々はとても有意義なものでした。
私の通っていた通信制高校の登校日は月に約2回で、基本的に自宅学習、空いた時間は絵を描いたり本を読んだりと穏やかながらも充実した時間を過ごしていたと思います。
高校1年の冬頃からアルバイトも始め、飲食店で怒られながらも仕事をこなしたり、年末年始の神社でしょうが湯を配ったり、友人のライブの受付でチケットをちぎったりと楽しかったです。
素晴らしい大人との出会いもありました。そして少しずつ自分を見つめ直す余裕が生まれた時、真っ先に聞こえた自分の正直な声が、
「やっぱり留学したい!!」
それと同時に、奥底から浮かび上がってきたのが、
「どうしても美術の勉強がしたい!!!」
という気持ちでした。自分の大好きな美術を、小さい頃から憧れていた海外で学ぶ、その選択肢が頭を離れなかったのです。
0からのスタート!専門学校での1年間
しかし、この時点で私は高校3年生。正直、英語力も美術の基礎も全く足りません。
その日からインターネットで留学についての情報を集めまくり、ついに見つけたのが、語学系専門学校の海外芸術大学進学コースでした。
そのコースを修了すればファンデーションコース(イギリスの大学の1学年目)の代わりにもなると知りました。すぐにオープンキャンパスに参加し、入学を決めました。
学校では提示されたテーマに応じて作品を作ったり、基礎から英語を勉強をし直したりと濃密な1年間を過ごしました。
クラスメイトは全部で20人ほどで、それぞれ年齢やバックグラウンドも様々。私と同じように高校を卒業したばかりの人もいれば、既に日本の大学を卒業した人や社会人経験のある人もいました。
講師も現役アーティストからネイティブの英語教師と様々で、少人数のクラスだったため雰囲気はアットホームで先生との距離も近く、背景は違えど同じ目標を持つ仲間と机を並べるのはとても刺激的な経験でした。
英語の授業では語学試験対策のListening, Speaking, Reading, Writingの4技能だけではなく、自分の作品を英語でプレゼンテーションする方法や入学試験に必要なエッセイの書き方も勉強します。
アートのクラスでは主に大学に提出するポートフォリオを作成していきます。
こちらは当時作成した作品の一部です!
授業で提示されたお題に沿って作品を制作しポートフォリオを充実させていくだけではなく、デッサンやフォトショップの基礎なども夏期講習で集中的に学びました。
こうして、1年間みっちり英語と美術を学び、私はポートフォリオを完成させ、IELTSのスコアも2・0上げることに成功。s
美大の入試では、大学の面接官に一対一でエッセイとポートフォリオをプレゼンテーションします。
私の通っていた専門学校では世界中の美術大学と提携関係にあり、毎年各国の大学から試験のために来日した大学関係者と日本で面接を受けることができました。慣れ親しんだ教室で入試を受けることで、思う存分1年間の成果を発揮できたと思います!
私は1校に絞って受験しましたが、このシステムを使って何校も受験して自分にぴったりの大学を探す同級生もたくさんいました。
デジタルの表現だけではなく、手書きの手法を重視したカリキュラムと自然に囲まれた学習環境に惹かれて選んだ第1志望の芸術大学「Arts University Bournemouth」に無事合格し、現在に至ります。
現在までを振り返って
子供の頃の私に今美術を勉強していると言っても信じないでしょうし、中学生の頃の私に今イギリスに留学していると言っても信じないでしょう。
月並みですが、人生はどう変わっていくのか分からないものだと、イギリスでの留学生活の折にふと思います。これからもそうでしょう。そして、その変化を今楽しめていることへの幸せを噛み締めています。
今は毎日が楽しいです。課題や英語が大変なのも、自分の実力不足が辛いのも、全部、本当に本当に楽しい!
私の卒業後の目標はイラストレーター、ライターとして生計を立てることです。
それは叶うのか、変わってしまうのか、今の私には知りようがありません。それでも私は「今」の目標に向かってこのイギリスで一歩ずつ努力していきたいです。
このとりとめのない話を最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた!
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