アメリカの入国審査は、ビザやESTAのシステムが分かりにくいと感じているかもしれません。”噂の入国審査”も、何を聞かれるのか不安になっている方もいることでしょう。
ですが、ご心配は無用です。事前に準備するものや審査の流れ、質問内容などを把握しておけば、スムーズに入国審査を通過できます。
この記事では、これからアメリカに留学・観光する方に向けて、アメリカの入国審査のいろはについてご紹介します。
アメリカの入国審査に関して知っておくべきことだけでなく、質問内容の回答例もご紹介します。入国審査に不安を抱える方はぜひ最後までご覧ください。
なお、アメリカ留学の準備についての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な準備を進めたい方はチェックしてみてください。
アメリカ留学前の準備の流れ
※記事内ではアメリカドルをUSDと表記し、為替レートには2023年11月23日時点の情報を参照し、1USD=149円で計算しています。
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アメリカの入国審査は厳重に行われるため、初めて体験する方は、緊張してしまうかもしれません。
入国審査前に知っておくべきポイントを把握し、スムーズに入国審査を通過できるように準備しておきましょう。
アメリカの入国審査は、アメリカに足を踏み入れた段階で行われます。そのため、目的地と経由地が同じアメリカであっても、最初に降り立つ経由地の空港で入国審査を行います。たとえばマイアミが目的地で、道中にロサンゼルスの空港を経由する場合、入国審査がおこなわれる場所はロサンゼルスです。
また、他国への乗り継ぎ便でアメリカを経由する場合でも、アメリカで入国審査が必要です。
アメリカの入国審査では、外国人渡航者の生体認証を把握するために、顔写真の撮影とすべての指の指紋をスキャンします。サングラスやマスクなどを身につけている場合、外しておきましょう。
特に難しいことはありませんが、前に並んでいる人の立ち位置や指紋スキャンの様子などを確認しておくと安心です。
アメリカに入国する際、ESTAという認証を獲得する必要があります。
ESTAとは、電子渡航認証システムのことです。アメリカでは、滞在期間が90日以内の観光や短期留学の場合、ビザの取得は不要としています。その代わり、ESTAの申請が必要です。
ESTAがないとアメリカへの入国や飛行機の搭乗が拒否されるため、渡航前に必ず申請しておきましょう。申請方法や申請の注意点については後述する「アメリカに入国するまでの流れ」の中で解説します。
91日以上のアメリカ滞在を予定している方は、ビザの申請が必要です。また、90日以内の短期留学であっても、週に18時間以上の授業を受ける場合も、ビザが必要になります。
これらのビザを取得している方は、ESTAの申請は不要です。
つまり、ESTAとビザはどちらか片方がないと、アメリカに入国できない仕組みです。「ESTAはビザを持たない人の身分を保障するもの」と考えると、両者の違いが分かりやすいのではないでしょうか。
アメリカの入国審査は、流れを把握しておけば、それほど複雑ではありません。ESTAを使用しアメリカに入国する際の一連の流れを、渡航前から詳しく見ていきましょう。
アメリカの入国に必要なESTAは、入国前に申請が必要です。
ESTAの申請は以下のページから行えます。申請には21USD(約3,129円)の手数料が発生するため、クレジットカードを手元に用意しておきましょう。(※1)
Official ESTA Application Website, U.S. Customs and Border Protection
アメリカでのビザ申請では、政府の公式サイト以外に申請代行サイトを利用する手段もありますが、利用される際には必ず手数料等を事前にご確認ください。
申請内容に問題がなければ、72時間以内に承認されます。渡航の3日前までには、申請を済ませておきましょう。
オンライン申請が終わったら、申請結果がメールで届きます。念のため内容を控えておくと安心です。
渡航当日は空港でチェックインをし飛行機に搭乗してください。
飛行機の中では、税関申告書が配られます。持ち物についての申請のため、正しく記載しましょう。飛行機の中で配られない場合は、空港の入国審査エリアで配布されます。
飛行機がアメリカの空港に到着したら、入国審査をおこないます。「immigration」や「passport control」という案内を目印に、入国審査のカウンターへ向かいましょう。入国審査カウンターでは、「Foreigner」の列に並びます。
アメリカの入国審査では、以下のことをおこないます。
上記の内容に問題がなければ入国審査は終了です。
過去にアメリカへの入国経験がある方は、APC(自動パスポートコントロール)の利用も可能です。APCを使うことで入国審査の時間が短縮できるため、積極的に利用すると良いでしょう。
入国審査を通過できたら、預けていた荷物を受け取ります。
荷物をピックアップするエリアにはモニターがあり、飛行機の便名や荷物が流れてくるレーンの案内が表示されています。乗ってきた飛行機の便名とレーンを確認し、荷物を受け取りましょう。
荷物を受け取った後は、税関を通過します。機内や入国審査のエリアで記入した税関のカードを、パスポートと一緒に係員に提出してください。
入国審査で聞かれる質問内容は、ほとんど同じ内容です。質問内容と答える内容を把握しておけば、初めてのアメリカ入国審査もスムーズに通過できるでしょう。
ここからは入国審査でよく聞かれる質問と回答内容の例をご紹介します。
入国の目的については、必ず聞かれる内容です。挙動不審な言動をすると疑われてしまう可能性があるため、自信をもって答えましょう。
留学での入国の場合は、勉強でアメリカに渡航してきたことを伝えましょう。
留学先の大学が決まっている場合は、大学名を伝えると、より心象が良いでしょう。また、「英語を勉強しに来ました」「経営学を勉強しに来ました」など、留学の具体的な目的を話すのも良いですね。
観光目的でアメリカに渡航した場合の返答例です。入国管理官がフレンドリーな方の場合「どこを観光するの?」「何を見るの?」など、自然な流れで会話が続くこともあります。
地名や観光スポット名だけ伝えれば問題ないため、緊張せずに会話を楽しむ気持ちで返答しましょう。
ESTAとビザのどちらでアメリカに入国した場合でも、滞在期間が定められています。
入国管理官は、ESTA・ビザそれぞれに記載されている滞在可能期間内に、渡航者が帰る予定であることを確認する義務があります。
返答時は、記載されている期間内で帰国する旨を、しっかり伝えましょう。
復路の航空券をすでに持っている場合は、その日付を返答すればOKです。復路の航空券の提示を求められるケースがあるため、あらかじめ手元に用意しておくと良いでしょう。
明確な帰国日が決まっていない場合は、帰国予定の日付は大まかでも問題ありません。3か月であれば「three months」、半年であれば「half a year」と答えましょう。
どこにいて何をしているのかを、アメリカ入国時に問われます。滞在予定先の名称を、正しく返答しましょう。
滞在ホテルが決まっている場合は、ホテル名を答えましょう。友達の家に宿泊する場合は「my friend’s house」、学生寮であれば「Dormitory」など、滞在先がわかれば問題ありません。
もしも滞在先が決まっていない状態で入国する場合は、これから宿泊先を探す旨を話しましょう。
現在はどの職業に就いているのかも、入国審査時に問われます。
基本的には現況を伝えれば問題ありません。しかし学生や退職済みの方は、「No job」と答えないように注意しましょう。「不法滞在で働く可能性がある」と判断されるケースがあります。
英語で「会社員」を表す言葉もあります。しかしネイティブの方にとって「occupation」の答えとして会社員は少しズレている、と感じるようです。
現況を問われる質問では、具体的な仕事内容を答えたほうが良いでしょう。学生やアルバイトの方は、その旨を伝えれば問題ありません。
退職済みの方は、前職の仕事内容を答えたほうが無難です。アメリカの入国審査官は、無職の外国人に強い警戒心を抱いています。
無職であることを掘り下げられた場合は、「なぜ辞めたのか」「資金はあるのか」など、現地での不法就労の可能性を探るために、数々の質問をされるでしょう。真摯に答えていけば問題ないため、慌てずに落ち着いて返答してください。
アメリカ入国審査を初めて受ける方は、わからない点や不安なことも多いと思います。
ここからは、アメリカ入国審査でよくある質問内容について、回答します。
出入国カードは、空路・海路でアメリカに入国する場合は必要ありません。日本からの留学生・観光客の多くが飛行機か船を利用してアメリカへ入国するため、用意しなくても大丈夫です。
米国ビザを所持している方や、陸路でアメリカに入国する方は、出入国カードの申請が必要です。申請書は以下からダウンロードできるため、該当する方は用意しておきましょう。
ESTA申請アジアセンター|米国出入国カード電子版 i-94ダウンロードページ
トランジットの時間は、3〜4時間は確保することをおすすめします。
入国審査に時間がかかるケースは少なくありません。また、空港や行き先によってはターミナルの移動も発生します。荷物を探す際も、スムーズにいくとは限らないでしょう。
乗り継ぎ時にトラブルが発生しないように、トランジットには多くの時間がかかることを踏まえて、時間調整をしたほうが安心です。
税関申告書は、アメリカ行きの航空機の中で配布されます。
記載した用紙は、入国審査後の税関で提出します。お菓子1つであっても、嘘の報告が判明すると罰金を支払ったり内容によっては入国拒否をされたりするケースも考えられます。
税関申告書では虚偽内容は記載せず、正しい報告をしましょう。
ESTAで入国する際は、アメリカの空港に設置されているAPCで税関申告が可能です。手続きの手間を軽減したい方は、APCを使用しましょう。
アメリカへの入国審査は厳しく、さまざまなデータや申告などが必要になります。アメリカに入国する予定がなく、乗り継ぎでアメリカに立ち寄るだけでも入国審査は必要のため、当てはまる方は入国審査の手順を確認しておきましょう。
また、ESTAやビザ、税関申告書など、用意する書類も多くあります。あらかじめ記載に必要な情報を把握しておくことで、スムーズに書類の準備が進められるでしょう。
ご紹介した内容を参考にし、万全な状態でアメリカの入国審査を迎えてくださいね。
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※1...在日米国大使館と領事館|ESTA申請(参照日:2023年11月23日)
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